インターネットのけもの

全て妄想です。

投資のススメ

先日の日記でも触れたように、最近の僕といったら定時を迎えるやいなや速攻で帰宅、後は夜中までネットやラノベの世界にダイブという模範的オタク生活…、では無くそうやってネットや書籍から知慧を得てこの競争社会を勝ち上がっていく準備に追われているわけですが、こうして得た知識は頭の中で眠らせておくだけでは全く意味がありません。やはり僕たちは物質的な世界を生きる身ですから、なにも知識をつけただけでは命を輝かせることは出来ないのです。大事なのは得た知識を使うことで、より豊かに、満足感のある人生を歩んでいくことが出来るかということです。

陳腐な言い方にはなりますが人の価値観はそれぞれのものであり、これをすれば人生の成功者であると画一的に言えるようなものはありません。知識は眠らせていては意味がないといいましたが、中にはひたすら知識を貯め込むことを至上とし、それこそを人生の目的とする方もおられるでしょう。ですが、一般的にはそういった人は稀であり、大半の人は美味しいものが食べたいだとか、あそこへ行ってみたいだとか、そういった欲望を自由に満たすことが出来るようになりたいと考えていると思います。ですが、現実社会というものはどこまでも現実的で会社や学校、法律や常識など、多くのものに僕たちは縛られ、この欲望を簡単に満たすことが出来ないようになっているわけです。

ですが僕たちは何も好き好んでこんな訳のわからない鎖に縛られているわけではありません。こんな鎖の中に身を置かなければならない理由は細々と挙げていけばキリがないのですが、一番大きな部分としてはやはりお金、英語で言えばMoneyにあると言えるでしょう。即ち、自由に使えるお金がないから僕たちはいつまでたっても自由になれないわけですね。だらだらと書いてきた割にすげー普通の結論しか出て来なかったので自分でも少し驚いています。

こういうことを言うとたまに「お金がなくたって幸せはある!」と脳に重大な欠陥を抱えているとしか思えない人が現れますが、今はそういう話はしてないので無視します。信仰の世界なんかで力強く生きていって欲しいと思います。そもそもそういうことを言い出すやつに限って生きていくには困らない程度の金は持ってたりするので全く信頼できませんね…。

 

いまの社会はどうあがいたところで資本主義が闊歩していますので、極論にはなりますが、「人生の成功者=お金持ち」であることは否定しきれません。僕は1年くらい前にこの恐るべき真実に気がついてしまいました。皆さんは気がついていましたか?もし気がついていたならどうか黙っていて下さい。なぜならば、僕だけこんな歳まで気がついていなかったというのはとても恥ずかしいことだとも気がついてしまったからです…。

ですが、いつまでも恥ずかしがっていては仕方ありません。気がついたなら、それを活かすことで人生を豊かに、成功に向かって進んで行けばいいのです。こういう切り替えの早さが僕のいいところだとよく褒められます。

とりあえずお金持ちになることが成功者への近道だということには気がつけました。こうやって文章にしてみると途轍もない小学生っぽさがにじみ出てきますが、僕はもう25歳です。小学生に比べ、取れる手段は多く、やろうと思ったことは大抵試せる立場ですから、年齢のアドバンテージを活かしてガンガン稼いでいってやろうと思います。

 

そして今年に入った頃に僕は一つの答えにたどり着くことが出来ました。

僕がたどり着いた答え、それは「投資信託」でした。投資信託というのは株取引の親戚みたいなもので、色々な株式をまとめて取り扱うことで、長期的な立場では儲けやすくなる魔法のようなものです。なかでもインデックス投資というものがいいそうです。金の匂いに敏感すぎる僕は、「今こそ知識を蓄える時!こんなにも金儲けに直結する知識があろうか!(あるはずがない!)」と、思わず反語的表現が飛び出てしまうほどに意気込んで勉強を初めたのですが、内容が難しすぎて5割くらいしか理解することが出来ませんでした。すいません…、5割というのも見えを張ってしまいました…、実際は3割がいいところだったような気がします…。

でもいくつかわかったことはあったので、勉強の甲斐があったというものです。わかったことを以下にまとめてみます。

・長期投資に向いている(早く始めるほどよい)

・少額から始められる(月100円からでもOK)

・投資のテクニックは不要(むしろ何もしないほうがいいレベル)

以上の3点です。これを知ったときの僕の気持ちとしては、「あれ?これって小学生くらいから始めてたほうが良かったんじゃないの?」でした。先程、小学生に比べて年齢のアドバンテージがあるとかどうとか述べていましたが、完全にそんなものはありませんでした。何ということでしょう。僕は発想が小学生っぽいばかりか、年齢のアドバンテージでは完全に小学生に負けていたのです。

ですが、いつまでも小学生には負けていられないので、僕はその後もたゆまぬ努力を重ね、他にも、

・購入の時期を分散させたほうがリスクが小さい(株価は上がったり下がったりするからバラバラの時期に買って平均を取れば、大きくは儲からないけど損もしにくい)

という重要と思われることなんかも学ぶことに成功しました。こうやってたゆまぬ努力を重ねていけるところは評価してほしいものですね(ちょっとネットで調べれば誰でもすぐに分かります)。

 

さて、いよいよ実践です。1月下旬には投資信託や株式を購入するために必要な証券口座も作り終え、口座への入金も済ませました。これからは愚直に積み立てていくだけで20年後くらいにはバラ色の未来が待っているのです。若干未来すぎる話のような気もしましたが、そこには目を瞑って早速投資の世界に飛び込みます。

ええっと、いま貯金がこれくらいあるから毎月の給料と合わせて積み立てるとして…、毎月の積立額はこれくらいでいいかな…。

無理のない返済計画を、とはよく聞くフレーズですが、僕はその数歩先を行く男。貯金でコツコツお金を貯めるどころか、それを投資に回すことによってさらなるお金の獲得を狙っていきます。投資の世界に飛び込んだことで、なんだか僕は自分が立派な大人になったような気がしました。

次の日、自分の証券口座を眺めに行くと、僅かではありましたが、早速プラスが出ていました。これに気を良くした僕は、あろうことか当初の目的であった毎月積み立てるという目標が端から無かったかのように、残りの貯金も突っ込むべきなんじゃなかろうかという思いに駆られてしまいます。このときの僕の頭は恐ろしく単純化されてしまっており、しっかりと勉強したはずの「購入の時期を分散させたほうがリスクが小さい」なんてものは完全に吹き飛んでいてしまったのです。だってさあ、どうせ上がっていくなら、最初にドカンと買っといたほうがいいじゃん?と僕の頭に巣食う何かは囁きました。

結局僕は、「買わずに後悔するよりも買って後悔したほうがいい」だとか、「習うより慣れろって言葉もあるしやってみないと分からない」という頭の悪すぎる言い訳の基、なんとまあ愚かなことにも、貯金の大部分を速攻つぎ込んでしまいました。

 

そして迎えた一週間後。僕は絶望的すぎる後悔に苛まれていました。

なんだかよく分からないうちに株価がドンドコ下がっているのです。ハッキリ言って意味がわかりませんでした。いや、意味はわかっています。散々勉強しましたからね。株価は下がることだってあるのです。ただ、なにも僕が買ってから1週間経たないうちにガンガン下がり始めなくてもいいんじゃないですか…。

2ちゃんねるなんかに毎日スレが立てられていたのをよく覚えています(僕は未だに2ちゃんねるから得られる知識こそが本物だと思っています!)。一部では値段の下がり方が過去の経済危機の始まりに似ているとかで、ここから世界恐慌につながっていくんだと煽られていてマジでビビらされました。

幸いにも、そこから更に株価が暴落するようなことはなかったのですが、一度下がったものはなかなか戻らず、投資の世界に飛び込んでから1ヶ月も経たないうちに貯金を10%近く減らしてしまうという醜態を晒してしまったのでした。比較的リスクの小さいと言われている投資信託ですらこんな有様ですから、他に手を出していれば今頃、のんきにこんな日記を書いていることもなかったかもしれません。これに懲りた僕は、最初に決めたルールは守ろう、もっとしっかり勉強しようと心に誓ったのでした。

 

今日になって突然こんな半年前の出来事を綴ったのには理由があります。

今日の昼頃だったでしょうか、父親からの一本の着信がありました。勤務中であることが明らかであるにもかかわらず、電話をかけてくるなんてのはただごとでない予感がします。我が家は家族の連絡事項は母親経由で行われることが多いため、父親からの電話ということも、僕をいっそう緊張させました。まさか、母親の身に何か…?

しかし、いざ電話に出てみると、その内容は「株の買い方を教えてくれ」という、それは仕事が終わるまで待てなかったのか?としか思えないどうしようもないものだったため、思わず電話を叩き切りそうになるのを抑えるのに精一杯でした。

なんとか話をきいてみると、どうやら上がりそうな株があるが買い方がわからない。そういえば、息子が証券口座を開いた話をしていたから一度聞いてみようと思ったとのことでした。

その肝心の息子は、半年以上経ってようやく減った資金をトントンにまで持ち直した実績はあるものの(別に勉強したとかじゃなく、分からないから放っといたらいつの間にか戻ってた)、別に詳しいわけではないので、証券口座の作り方くらいしか教えることが出来ないのですが、アドバイスを求められているわけではなかったらしく、一方的に話は進んでいきます。

上がりそうな株というマジックワードには大変心惹かれる物があったので、詳しく聞いてみようと思ったのですが、どうやら父親が勝手にそんな気がしているだけで別に根拠はないとのことだったので、思わず「それってただのギャンブルと変わらないのでは…?」という至極まっとうな意見を述べたのですが、「でも儂が上がると思ってるねん!」という、有無を言わさない一言にすべてを封殺されてしまいました。

あと、電話の最中に「やっぱな、株とかも一回買ってみんと分からんこともあると思うわ。それにほんまに上がったらなんで買わんかったんやって後悔するしな」とどこかで聞いた覚えがありすぎることばかり言ってたので、やはり血は争えないんだなあと思うことしか出来ませんでした。

 

僕の予想が確かならば、父親が目をつけた株式は買った瞬間からズルズルと下がっていくだろうと思われますので、しばらくの間見守っておこうと思います。こうやって日記を書いている間にも、最初に聞かされたよりも多くの株式を買おうと思うという旨の会話を投げかけられたため、これはもう確実だろうと思います。(「買ってみんと分からんしなー」としか返せませんでした)