「今までで一番ハマったゲームは?」
こう聞かれたら僕は一切の迷いなく「すばらしきこのせかい」と答えることでしょう。
2007年に発売されたこのゲームは、当時中学生だった僕の心をガッチリと掴んで離さず、貴重なはずの青春時代をデジタル空間に注ぎ込むハメになる一因となってくれたのでした。
ゲームクリア後のやりこみ要素はもちろんのこと、ゲームバランスが調整された海外版にも手を出し、カッティングシートで自作のステッカーを作り、果ては中学生の身でありながら大阪から聖地渋谷への探訪、と僕はこの作品にこれでもかと魅了されていました。今でも東京を訪れた際には、用もないのにふらっと渋谷に行くことがあるほどです。
そんな作品が14年の時を経てまさかのアニメ化発表。
これには度肝を抜かれました。
なぜこのタイミングで?特徴的なグラフィックをアニメに落とし込めるのか?尺は足りるのか?あのカッコいい音楽はどうなるんだ?
様々な疑問がうずまきますが、結局のところ僕の心の中は「あのキャラクターたちが動いて喋って戦うところが見られるんだ!」という歓喜で一杯でした。
さらにはアニメ化に続いて新作まで出てしまうとのことで僕のテンションはうなぎのぼり。
この14年の間、他のゲームをすることは当然ありましたが、これほどまでに熱中できる作品はありませんでした。
これは僕が保守的、あるいは老害的な思考だということなのかもしれませんが、僕は新しく面白いと思えるものがあまりありません。僕の中にある「一番好きなもの」はもう10年近く更新されておらず、新しくこれいいなと思えるものがあっても、元々好きなものと比べるとどうしても元々好きなものにばかり軍配が上がります。
単に僕がひねくれもので、嗜好が偏りまくっているがために好みの作品が滅多に世にでてこないだけ、というパターンも考えられますが、どちらにせよ常々これはなんとかしたいと思っていました。どう考えたって、いろんな作品を楽しめるほうが楽しみの幅が広がるからです。
そのあたり新作というのはうってつけです。元々好きなものでありつつも、新しい楽しみも味わえる。世の中に続編が溢れているのもこのあたりが関係しているのでしょう。
僕も新しい楽しみを見つけられるかもしれません。そして、そこから更に楽しみが広がっていけばこれ以上幸せなことはありません。
前置きが長くなってしまいました。
この「すばらしきこのせかい」のアニメは今年の4月から放送開始であり、それに先駆けて3月14日にUG SHIBUYA FESと題された、第一話の全世界一斉先行配信がありました。
事前販売のチケットを購入した人だけが見られるという配信形式で、なぜかスケボーが特典の2万円もするチケットまであるというよくわからないイベントでしたが、第一話が見られるというのであれば願ってもないイベントです。
即座にチケットを購入しました(スケボー付き2万円のやつ)。
今日の日記はその第一話の感想です。
現時点の正直な気持ちを一言で述べると、「これアニメ化する意味あった?」になります。
もちろんキャラクターたちが動いて喋って戦ってくれるところは嬉しいのですが、一つのゲームを1クールのアニメに落とし込む必要があるために、どうしてもストーリー展開が早足になり、削ぎ落とされる箇所が出てきてしまっています。
その削ぎ落とされている箇所に原作の魅力が詰まっているように思える僕は、原作の魅力を発揮できないアニメ化なんてする意味あるのかなと思ってしまうのです。
まあ別に原作とアニメが一緒である必要はないわけですから、アニメはアニメで独自路線で面白ければそれでいいわけですが、第一話を見た限りでは、原作未プレイの人にストーリー展開が把握できるとは思えず、単に原作のそれっぽいシーンをアニメにしてみました!(ツギハギ)みたいなことになるのではないかと懸念します。
細かく書いていくとキリがないので以下箇条書き。
アニメ全話放送終了後には、この感想が全部ひっくり返っていることを期待したい。
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良い点
・原作絵が高い再現度でしっかりと動いている
・CGがきれいで作画が全く乱れない
・街中にしれっとブランドロゴが出てくるなど世界観が守られている
・歩行者に他の参加者らしき人物が紛れていて気がつくと楽しい
・原作の印象的なシーンがフルボイスで動いている
・ノイズに取り憑かれるという設定はまだマシか
・マップ切り替えでシンボルが出るのはゲームっぽくて良い
・戦闘中に光球リレーらしき描写がある
・ゲームがフルボイスになったと考えるとすばらしい
・南師の喋りが聞ける
・次回予告はシンプルながらも雰囲気が出ている
悪い点
・尺の都合なのかストーリーも説明もかなり端折られているのでキーワードが理解できない
・原作ファン向けの作品になっていると思うが音楽が新規多めでいまいちテンションがあがらない、ボス戦では原作と同じ音楽のほうが良いのでは
・バッジを使う描写がないのでサイキック発動の流れがわからない
・そのせいでネクが使うサイキックが変わるのに唐突感がある
・日付が変わる描写が分かりづらい、しれっと一日が経っているのにネクたちに驚きがない
・キャラが展開を受け入れるのが早すぎて見てる側がついていけない
・スキャンの描写が変わっているせいでビイトたちが絡んでくる理由が支離滅裂、触らないとスキャンできないのでは?
・ネクがただの根暗にしか見えない、世界は俺一人だけでいいとか言ってたネクはどこいった?
・厨ニのネクが厨ニであることすら示されないままにストーリーが進んでいく
・シナリオを単純化した弊害でネクの成長が描けていない、ただの根暗がちょっと心開いただけになっている
・像の呪い開放が単純すぎるがこれはまだ仕方ないか、謎解きとかやってる尺はないし
・ハネコマさんがガチで不思議なおじさんにしかなってない
・フトシも死神だったの?インプリントがアニメで描写しにくいのかもしれないけど都合よく設定変えすぎでは
・「ノイズに取り憑かれてた感じ?」ってなに、そんな会話してネクとシキはおかしいと思わんのか…
・「ノイズやらかしまして」ってなに、777の前でそんな会話したらゲーム関係者だって気づくのでは
・ネクが脳筋キャラになっている、ノイズ見かけたらぶっ倒す!しかしてない
・アニメのネクはただの根暗でサイキックの才能に頼った脳筋のあんぽんたんという印象、原作とかなり違う
・ビイトたちが助けに来たのに雑魚掃除しか役割ない
・ウェスペリティリカオナーがそのまま主になってるせいでビイトたちとの助け合いの意味が薄れている、実はネクたちには見えてないものがあってそこをビイトたちがリカバリーしてくれるのが良かったのでは
悪い点ばっか出てくるな。
一番のファンが一番のアンチになるという意味を身を以て理解することになりたくはないんですが。