インターネットのけもの

全て妄想です。

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト舞台探訪記 「隊ノ一日・梨旺走ル」

夕食の時間を迎えたとこからの続きです。

だいたい分かっているでしょうがタイトルと内容は毛ほども関係ありません。

それにしても9月15日だけで3記事に分けて書くほどの分量になるとは思わなかったよ。

 

2016年9月15日(木)

 

というわけで食事の時間です。

流れは全くわかりませんでしたが、明かりの付いたレストランに入ると、給仕さんが立っていました。

どうやらここで宿泊者の管理をしているようです。部屋の鍵をみせ、名前を伝えるとあっさりでした。カードを書いてくれるので、以後の食事はこのカードを見せるだけでとれるようになるようです。しかし、どうやら一人の旅行客というのが珍しいようで、一人なのか?と確認を受けたような気がします。言葉はわからずとも、指一本立ててのでそうとしか思えません。僕は完全無欠に一人だったため、堂々と頷くと席へと案内してもらえました。

席につくと当然のようにテーブルの上には向かい合うように食器が二人分揃えられておりました。やはり、一人で来るお客というのは珍しいようですね。食器が二人分あるのは別にいいのですが、席についても全然片付けられないので、向かいの席に誰か座ってくるんだろうか、まさか食事が二つ出てきたりしちゃうんだろうか、と無駄にドキドキしてしまうハメになってしまいました。

当たり前のことですが、向かいに誰かが座ることも、食事が二人分出てくることもなく、一つ目の料理が出てくる頃に向かいの食器は片付けられていきました。

 

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もともとは修道院の食堂だったらしい。厳かな雰囲気にも、ナイフとフォークにも慣れませんでした。

 

食事の内容は決まったものが出てくるわけではないようで、最初にメニューが手渡されます。スペイン語表記と英語表記があるので、英語が分かれば問題ないでしょう。僕はよくわからなかったので、コース料理らしきものを注文しました。せっかくなので、いろんなものを食べてみたいですしね。

料理は注文できましたが、問題は飲み物です。言語がわからないのもありますが、それ以上に酒の種類に疎い僕です。もう、水でいいかな?とも考えましたが、ここまで来たからには料理に合う飲み物がほしい。されど、なにがいいかはわからない。こんな時のために、準備の良い僕は一つの言葉を覚えてきていたのです。

それがこれ、"recomendar"(レコメンダール)

意味は「推薦する」と、これ単体で言われてもなんのこっちゃ?ですが、ここはレストラン。メニューを見せながら、「レコメンダール!」といえばなんとかなるものです。ワインをオススメしてもらい、「赤がいいか白がいいか」みたいな会話を乗り越えて(ここは英語だったので、英語は普通に通じるようです)、なんとかお酒を注文することに成功しました。

 

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メインディッシュ。うまかった記憶はあるけど何の肉だったか覚えていない。

 

順調に料理が消化されていき、どれもが僕の馬鹿舌でも分かるレベルの旨さで、レストランの環境も良く、これが大人の時間の過ごし方なのかと妙な錯覚を覚えながらも時間が進んでいきます。最後のデザートを食べ終わる頃には大変な満足感がありました。

レストランを後にし、部屋には戻らず廊下のソファで休みます。食事前にはぼんやりと明るさを残していた景色も、今ではすっかり暗くなっています。廊下の照明は明るすぎず、中庭に差し込む月明かりを感じることが出来ます。そんな環境で過ごすことはとても素敵で、きっと「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」を見ていなくても、ここに来たら楽しいんだろうなと思わせてくれました。

 

クエンカ旧市街は古い街ではありますが、観光地でもありますので、十分に街頭などが揃っており、夜でも手ぶらで散策することが出来ます。夜の街はまた違った一面を覗かせてくれるもの。クエンカ探索夜編の開始です。

 

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ライトアップされた橋と街並み。

 

旧市街に渡るための橋が照らし出され、幻想的な雰囲気を醸し出しています。照らされているのは橋だけではなく、崖の上に建てられてた街並みが美しくライトアップされておりました。夜に見る宙吊りの家もいいものですね。作中ではセーズの夜はあまり描かれていませんでしたが、もし描かれていたならばきっと素敵なものになっていたことでしょう。

 

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夜の宙吊りの家。

 

 夜の散歩に出かけている人はそこそこいるようで、橋を渡ってから結構人とすれ違います。中には話しかけてくれるような人もいましたが、英語もスペイン語もわからない僕は、「Hola!(やあ!)」しか返すことが出来ないのでした。

クエンカの街は全体的に傾斜がついており、新市街からあがって来た側(バスが登ってくる側)から北東にかけて坂を上がっていくような構造になっています。昼間はマヨール広場を中心に見て回っていたので、坂の上まであがって行ってなかったのですが、夜の魅力に引き込まれ、街の端まできてしまいました。

 

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見覚えのある光景。1話で彼方が鈴の音に気付くところですね。

 

奥に見える門を出ると、そこはもう街の外になっているのですが、この門の外壁は街を包むように立っており、横から登れるようになっています。街頭で照らされてはいますが、そこまで明るいわけではないので注意して登る必要がありますね。

 

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クエンカの夜景。明るいところはほとんどが新市街。

 

写真を撮っているときに気がついたのですが、この場所から見る光景ってサウンドトラックの表紙と同じなんですよね。今は暗すぎてわかりにくいですが、明るくなったらもう一度来る必要がありそうです。

先程の場所の周りには作品内で見た景色が多く広がっており、ここから少し歩いた場所には、夜にこそ訪れるべきあの場所もありました。

 

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しっかりライトアップされているので夜でも楽しめる。

 

1話で炎の乙女の儀式が行われていた場所。クエンカには数多くの「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」スポットがありますが、ここはその中でもかなり上位に位置する、訪れたい場所ではないでしょうか。奇しくも儀式が行われた時と同じ、夜に訪れたためでしょうか。僕はこの場所でしばらくぼーっとしてしまいました。何を考えるでもありませんでしたが、有無を言わせぬ何かをここで感じることが出来ました。

 

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炎の乙女像のところにはキリスト像がありました。

 

横道を選んで宿に戻る途中、炎の乙女像に巡り会えました。実際は乙女でもなんでもなく、その正体はキリストだったんですが、こういう小道でも楽しませてくれるものです。キリスト像は照らされていましたが、この辺りには街頭が少なく、めちゃくちゃ暗かったので躓いて転びそうになりました。注意が必要ですね。

 

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パラドールでの優雅な時間。時告げ砦で見る「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」はより深い感動を与えてくれる。

 

自室に戻り、今日を振り返ります。一日中テンションが上っりっぱなしだったので、宿ではゆっくりしようと思っていたのですが、大事な事を忘れていることに気が付きました。

準備が良いことで知られるこの僕は、時告げ砦で「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」を鑑賞するために、携帯端末でも作品を鑑賞出来るようにしておいたのです。もちろん、お供はカルヴァドス。フランスで買ったカルヴァドスは空港で没収されたため、免税店で買い直すハメになった曰く付きの品です。クエンカの土産店でかった小さなグラスに注いで準備は万端です。

 

カルヴァドスを飲みながら、時告げ砦で「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」を見る。これ以上の幸せが果たしてこの世に存在するのでしょうか。この夜、たしかに僕は第1121小隊と共に在りました。

 

続く