インターネットのけもの

全て妄想です。

嫌われる勇気

いつの間にか恐ろしいまでのスピードで9月が過ぎ去ってしまっていたため、唖然とした僕は「まさに、光陰矢の如し、だぜ」と、覚えたての言葉を披露したがる小学生のようなセリフを発することでなんとか心の安寧を図ろうとしたのでした。しかし、そんなセリフを発したところで、過ぎ去った時間が戻ってくることはなく、それどころか、既に9月をどのように過ごしていたのか思い出せない始末。

小学校の卒業スピーチでは「将来は科学者になってロケットの研究がしたいです!」と汚れなき眼で語ってしまうほど明晰な頭脳を持っていた僕でしたが、歳を重ねるたびに突発的に発生する酩酊あるいは泥酔により、もはや脳が漂白されたと言ったほうが正しいのではないかと思えるほど、記憶が定着しにくくなってしまっていたのでした。

 

「日記を書き溜め、数十年経ってから読み返すことで悦に浸る」という目的のもと、このサイトを始めたはずなのですが、これでは目的を果たせそうにありません。とっとと9月中に書きまくっておけばよかったのですが、9月は、というか10月に入った現在もそうなのですが、仕事というあまり好ましくない事項が急に生活の中で存在感を増してくれやがったため、今までの定時の鐘と共に、忍の末裔かと見まごうような速さで職場から姿を消していた生活から、定時の鐘を聞いてから、軽く5時間は職場で過ごしてから帰らなくてはならないという、とても日記を書く暇が見つけられないような生活にシフトせざるを得なかったという事情があったのでした。

こう書くと、まるで僕が精力的に仕事に打ち込むエリートサラリーマンになってしまった印象を受けるかと思いますが、実際のところは、過去の日記にも書いたように職場で寝まくっていたら、最近になってとうとう堪忍袋の緒が切れた上司からガチ説教を受け、今までとは質・量ともに比べ物にならない仕事を割り振られてしまった、という「自業自得」という言葉しか頭をよぎらない状況に陥っていただけです。

 

しかも、どうやら僕は上司から相当に嫌われてしまったらしく、業務上理解できなかったところを質問しても、「調べてそうならそうなんちゃう」「それを調べるのが君の仕事やろ」とわかり易すぎるまでの拒絶の意思を表明されてしまいます。

最初こそは「まあ自業自得か…」と我ながら健気に頑張っていたのですが、最近では僕の方も慣れてきてしまい、熱心に仕事をしているふりをしながらも、実際には全く業務に関係ないサイトを閲覧しまくるという元のサボり状態に戻ってしまいました。ぶっちゃけ調べても分からないことは、いくら調べようが分かんないですからね。別にサボってるのがバレようがこれ以上心象悪くなりようもないなと、ある種開き直りのようなところもありました。

そんな感じで残業しまくりながらも、うまくサボっていたわけですが、そんな生活を続けていると不思議なことに、段々と上司が優しくなってきました。どうやら上司の中では残業=正義だったらしく、遅くまで残っている姿を見せれば頑張っていると評価してくれたようです。実際には途中からは定時で帰っていたときと大して変わらない仕事量しかこなしていなかったわけですが、いつの間にか質問にも答えてくれるようになりました。おかげで効率も上がり、より長時間サボれるように。うまくサボるとこうなるという好例と言えるでしょう。

 

既に怪しげながらも、9月の記憶をなんとか掘り起こして今のうちに書いておこうと日記を書き始めたはずなのですが、気がつけばそんなことはお構いなしに、脱線しまくった日記を書いてしまいました。それもこれも、全て新しいキーボードのせいです。今まで使っていたキーボードがかなり病的な挙動をするようになってしまい、たとえば「k」キーを一度おしただけで「っっっっっっっk」のようなもう少しで高橋名人を超えられるんじゃないかというくらいのオート連打機能を搭載し始めてしまったため、とてもまともに文章が打てる状態ではなくなってしまっていたのです。

そこで、新しいキーボードを「増税前だしね」と、仕事終わりにコンビニスイーツを買うOLのようなテンションで注文していたのですが、それが今日になって届いたのでした。やはり新品というのは良いもので、文字盤は綺麗ですし、打鍵感も滑らかです。当然、狂ったような挙動をすることもありません。なんだか文字を打つのが楽しくなって、思いついたままに日記を綴ってしまったのでした。

とはいえ、9月にあった11回の休日のうち、頑張ってみても5日分くらいしか何をしていたのか思い出せなかったので、そんな健忘症寸前の僕にはこれで良かったのかもしれません。思い出せない日については、まあ多分、ろくでもない過ごし方をしていたことでしょう。

貴重な休日だというのに競馬の予想くらいしかやることがないので、思い出せた分の日記については明日改めて書いてみようと思います。新しいキーボードで文字打つの楽しい。