インターネットのけもの

全て妄想です。

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト舞台探訪記 「電話番・緊急事態ヲ宣言ス」

アラルコンに到着してからの続きです。

書き始めて半年も経とうかというのにまだこれだけしか書けていないとは自分の遅筆っぷりにも感心するばかりなのですが、その最大の原因であった長期出張に突如終わりが告げられたため、残りはそんなにかからずにかきあげたいところですね。生来の怠惰っぷりが地元に戻ってきたことによって発動されないことを祈るばかりです。

 

2016年9月17日(土)

 

紆余曲折を経てなんとかアラルコンにたどり着くことができました。たどり着けなかったらどうしようかとも思いましたが、なんとかなるものです。クエンカのおばちゃんに感謝。

親切にもタクシーはパラドールの前にまで送ってくれたので、早々にチェックインしてておきます。街中の散策は身軽になってからの方が良いでしょうしね。

 

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パラドールの入り口。パラドール自体が大きくないこともあって小さな入り口一つ。

 

中庭を通ってフロントへ向かいます。アラルコンのパラドールは全体の部屋数が13だか14とかなり少なく、それが塔部分と宿泊棟に分かれています。パラドール内の施設を行き来するには、この中庭を通る必要があり、フロントと宿泊部屋を持つ塔部分と、宿泊部屋のみの宿泊棟、食堂兼カフェ、これらはすべて中庭に面して建てられています。僕が行ったときは幸いにも晴天続きだったのですが、雨のときには食事に行くだけでも傘を差さないといけないので、それは少し不便かもしれませんね。

こちらのフロントでもクエンカと同じように事前に印刷してきた予約書みたいなものを見せるとあっさりと鍵をもらうことができました。ここで嬉しい誤算がありました。というのも、宿泊予約をする際に、「できれば塔の部屋に泊まりたいな~」と思っていたのですが、塔の部屋を指定して予約する方法がわからず(そもそもそんな方法があるのかも分からない)、運任せになっていたのです。塔の部屋数は宿泊棟の部屋数よりも少ないため(4か5らしいが忘れました)、「多分宿泊棟のほうだろうな」と半ばあきらめていました。ですが、もらった鍵を見るとそこに刻まれていたのは紛れもなく塔の部屋番号だったため、小躍りしたくなるほどテンションが上がってしまいました。

 

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宿泊する部屋の扉。当然ですがクエンカのものとは趣が全く異なります。

 

ちょっと記憶が曖昧なのですが、クエンカと異なり部屋までの案内はなかったと思います。まあ案内などなくても部屋数が少ないのでどこへ行けばいいか迷うことはないと思います。塔にはしっかりとエレベーターが付けられており、古城とエレベーターというギャップが少し面白かったです。

 

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扉をあけて飛び込んできた光景。思っていたよりも狭い。

 

扉を開けるとすぐそこにベッドと椅子、洗面所までが目に入ってきました。奥に見えている扉はトイレの扉でした。どうやらあまり広くない空間に全部詰め込んでいるようです。壁から天井にかけてラウンドしているので余計に手狭に感じるのかもしれません。ラウンドしている壁はレンガと土から作られており、古城の雰囲気をふんだんに感じさせてくれます。確かに狭いのですが雰囲気による高揚からか圧迫感はあまり感じませんでした。

 

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ベッドには天蓋がついていました。王様にでもなったようだよ。

 

 入ってすぐ左手にはベッドがあったのですが、驚いたことに天蓋付きでした。古城に天蓋付きベッド、まるで王様にでもなったような気分です。下賤の身である僕はもちろん天蓋付きのベッドで寝るなんてはじめてのことです。

写真にも写っていますが枕やバスローブなど、いろいろと2つずつ用意されているのが妙にもの悲しかったです。クエンカでの食堂でも皿が二人分用意されていましたし、一人旅って一般的じゃないのでしょうか。彼女なんかを連れてきたら雰囲気最高でしょうが、あいにくこちらはどう考えても一人でしかないのでした。

 

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反対側からも一枚。古城を改装したホテルってのも伊達じゃないですね。

 

洗面所から入口側を見るとこんな感じですね。作中に出てくる家具なんかはパラドールのものを参考にしているのかな?とか考えていましたがあまり関係はなさそうでした。おそらく生活用品なんかは制作スタッフもロケハンしたというセルバンテスの家の方を大いに参考にしているのではと思われます。

あと写真には写っていませんが、中庭に面した壁に一応小さな窓がありました。塔の外壁がかなり厚くなっているため、壁から窓までも距離があり、明かり採りとしてもあまり機能しているようには思えませんでしたが・・・。

 

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お風呂と部屋を隔てるものはこのガラス扉だけでした。

 

 お風呂はまさかの部屋から直結、壁一枚隔てることもなくただ一枚のガラス扉があるのみでした。これだと蒸気が部屋まで流れてきてジメジメするんじゃないかとも思いましたが、実際に入ってみると壁の土がかなり吸収してくれているようで、部屋がジメジメしていると感じることはありませんでした。このへんはスペインの気候も関係しているのかもしれませんね。

 

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中庭にはテーブルが並べられており、くつろげるようになっていました。

 

一通り部屋を堪能したあとは街中の散策に移る予定だったのですが、ちょうど中庭に人がいなかったため、今のうちにさっと確認しておきました。中庭はテーブルがいくつか並んでおり、くつろげるように整備されています。食堂にも面しているため、おそらくそこでコーヒーなんかを頼めば、優雅なコーヒータイムを過ごすことが出来るのでしょう。宿泊棟1Fには誰でも入れるトイレがあるので安心です。

 

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左が入ってきた入り口。右がフロントのある塔部分への入り口。

 

逆方向に目をやると入ってきた入り口と、フロントと宿泊部屋を備えた塔への入り口が見えます。さっきの写真にも写っていた円筒上の設備は井戸でしょうか。蓋がされていてよくわかりませんでした。

ちなみに僕が行ったときはフロントには若い女性の方と、気さくな老紳士のような男性がいらっしゃいました。女性はあまり問題なかったのですが、老紳士の方は英語が通じないようで(僕の英語が下手過ぎて通じなかったか可能性もあります)、google翻訳を通じてなんとかコミュニケーションを取ることに成功しました。

あと、僕はスペインに着いてからはvodafoneのSIMを利用していたのですが、アラルコン付近ではつながらない箇所もありました。パラドールにいる間はWi-Fiがあるので問題ありませんが、近くを散策する際には注意が必要かもしれません。google翻訳も街中では使えないかもしれませんね。

 

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パラドールと街をつなぐ橋。どちらかといえば通路が正しいのかな。

 

再度入り口をくぐり、街中の散策に向かいます。橋を渡り街中へ、観光客らしい人がちらほら見えますがあまり多くはありません。橋を渡ったところは広場になっており、車が10台ほど停まっていた覚えがあります。駐車場も兼ねているのでしょうか。広場の橋の方は視界がひらけており、街の北側を流れるフカル川がよく見えました。

 

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広場からみるフカル川。街から伸びる城壁とあわせて美しい。

 

フカル川はアラルコンの街を囲むようにながれており、街の周囲にそびえ立つ城壁とあわさってアラルコンが要塞都市と呼ばれる要因となっています(「アラルコン」はアラブ語で「要塞」というらしい)。広場からはそのフカル川と城壁がよく見え、歴史を感じさせてくれます。ダムというほどではありませんが、川の一部はせき止められ、貯水池になっていました。

写真中央部からそのせき止められている様子がわかるかと思いますが、その横には一軒の屋根が朽ち果てた小屋が見えました。聡明なる方は気づかれているかと思いますが、これが一話でカナタとイリアが出会ったところです。やっとここまでたどり着けました。街中を見てから降りることにしましょう。

 

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街中でよく見かけたメッセージ。スペイン語がわかれば探索をもっと楽しめるのだろう。

 

街中の探索に戻ります。やはり人のあまりいませんが、その分静かに見て回れるというものです。道中、写真のようなメッセージを何度も見かけました。最初は全部同じかと思っていましたが、途中からどうやら全部異なるメッセージが書かれているのだと気が付きました。スペイン語がわかればもっと楽しむことができたのでしょうか、残念です。

帰ってから調べてわかったのですが、これはカスティーリャ王国摂政であったドン・ファン・マヌエルのものみたいですね。彼は詩人、寓話作家でもあったようなので、これは彼の詩でしょうか。何が書かれているのかさっぱりわかりませんでした。7話のフィリシアの気持ちが少しわかったような気がしました。昔の人の言葉でも、伝わらないっていうのは悲しいもんですね。

 

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突然現れた鉄道カー。めちゃくちゃ乗りたかった。

 

街並みを撮影しながら巡っていると、突然鉄道カーが現れました。こんな過疎の町に一体なぜ?と思ってましたが、観光客向けに走らせているんでしょうね。めちゃくちゃ乗ってみたかったのですがどこで手続きが出来るのかも分からず泣く泣く断念しました。スペイン語がわかれば聞けたのに・・・。

 

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静かな街ではありましたが、集まってパーティをしている集団などもいました。

 

ぶらりと歩いていると、店先で集まって騒いでいる集団を見かけました。過疎が進んだ街とはいえ、まだまだ活気もあるようです。まあ、ただ単に観光客が騒いでいただけの可能性の方が高いような気もします。

 

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もちろん猫もいます。

 

こちらでも猫を見かけました。このあとの散策でもちらほら見かけました。クエンカでも結構な頻度で見かけましたし、スペインは猫が多いんでしょうか。1話にちょろっと出ていただけのはずなのに、なぜかソ・ラ・ノ・ヲ・トには猫のイメージが少しあります。もちろん一番はアフリカオオコノハズクですが。

 

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街を囲む城壁はそんなに高くないところもあります。

 

適当に歩いているうちに、街の北側に突き当たってしまいました。アラルコンは城壁に囲まれた街ではありますが、どこも超えられない高さというわけではなく、そのまま外に出てしまえるところもあります。まだ街中を見終わっていませんが、カナタとイリアが出会った場所が気になって仕方なかったため、城壁を越えて大幅ショートカットです。街の外は斜面に草木が生い茂っており、長ズボンじゃないと痒くなったり切れたりするかもしれないので注意が必要です。このまま降りていき、川沿いを目指します。

 

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こんな景色を眺めながらゆったりと下っていきます。

 

開けた場所もありましたが、基本的には草木が生い茂っており、また城壁の名残か大きめの石がごろごろしていたりもするので足元には注意が必要です。まあそもそもこんな斜面を降りてくるなよって話ではあるのですが。川沿いに降りるまでの正式なルートもあるのですが、ショートカットしたほうが早いじゃんという、まさしく短絡的な理由でこんな訳のわからないルートを選んでしまったのでした。

 

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場所によっては城壁の上に登れたりします。

 

さすがは要塞都市というべきか、あらゆるところに城壁、あるいはその名残が存在しており、場所によっては城壁の上にそのまま登っていけたりします。ただし、写真ではなにげなくに登っていますが、確かこの右側は足を踏み外せば4~5m下まで真っ逆さまという素敵エリアになっており、そのくせ城壁の上はゴツゴツして歩きにくかったので、楽しく遊びたい人にはあまりおすすめはできませんね。

 

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こうやってみると城壁らしさが増しますね。

 

ようやく道路があるところまで降りてくることができました。この道路こそが川まで下ってくるための正式なルートもになっており、一応車も通れるようになっているようです。

 

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アラルコン付近の案内板。読めたらもっと楽しくなるんでしょうね。

 

城壁を越えて少し行ったところには、アラルコン付近の案内板が置かれていました。一部がめちゃくちゃに汚れているうえ、そもそもスペイン語が分からないというダブルパンチを見舞われた僕は、もはや地図と写真くらいしか分かるものはありませんでした。こういうところに書かれているウンチクが結構好きな僕にとっては、びっしりと書かれているこの文章が気になって仕方ありませんでした。

 

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小屋の近くまで降りてくることができました。

 

10分ちょっとで降りてくることができました。待ち望んだカナタとイリアが出会った場所がもうこんな近くに。こちらから見える範囲には小屋の中に入れそうな場所が無かったため、どうやら回り込む必要がありそうです。

タイトル書いてて思ったけど前回のほうがよっぽど緊急事態でしたね。今回何も起きてないし。

 

 

続く

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト舞台探訪記 「蝉時雨・精霊流シ」

先日ソ・ラ・ノ・ヲ・トファンの集い、「ソラヲフ」が開催されたそうですね。めちゃくちゃ行きたかったのですが、都合がつかず断念いたしました。次こそは・・・!

 

2016年9月17日(土)

今日はアラルコンに向かいます。

 

少し早起きして朝の散歩タイムです。早起きとは言ってももう8時近くなんですが。

サン・パブロ橋はどの時間に渡っても気持ちがいいものです。

 

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 早朝も人通りが少ないので無人の写真が撮りやすいです。

 

橋を渡り街中へ入っていきます。

そのままブラブラと気の向くままに歩いても良かったのですが、ある目的があったからこそ早起きしてきたのです。街歩きは後回しにして黙々と目的地を目指します。

 

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 クエンカで見る朝日。スペインの日の出は遅い。

 

もったいぶった割にすぐにネタバレしてしまうのですが、日の出を見たいがために早起きしてきたのでした。

1話はどのシーンを切り取っても好きなシーンしか無いこともあり、クエンカに行くことがあれば絶対に朝日を見てやろうと決めていたのです。

 

どこで朝日を見ようか迷ったのですが、結局一番見やすいだろうと思われる門の上の展望台で見ることにしました。作中に合わせるのであれば、パラドール側から見るべきだったのかもしれませんが、太陽がのぼってくる方向を考えると高さが欲しかったのでこの場所となりました。

というのも、実際の太陽は作中とは真逆の方向からのぼってくるため、パラドール側からでは崖や建物に阻まれて、中々日の出が見えないと思われたためです。

結果的にこの選択は大正解で、角度は異なるものの、徐々に朝日に照らされていく街の姿をじっくりと眺めることが出来ました。

 

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 暗がりの街が、

 

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 朝日に照らされていく。

 

日の出前から割と明るく見えていたのですが、こうやって見比べてみると明確に違っていることがわかります。

太陽が登ってくる方向が逆なので、街が照らされていく方向も逆になってしまいますね。特に傾斜がついている分、そこが顕著でした。

サントラを聞きながら照らされる範囲が広がっていく光景を眺めていたのですが、人通りも少なく、静かで穏やかな時間を過ごすことが出来ました。

 

一通り満喫した後は、少しぶらりとしてからパラドールへと戻ります。

もう8時を過ぎているというのにあまり人とすれ違うことはなかったです。スペインの朝が遅いというのは本当なんですね。

 

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ブラブラしているうちに日は完全にのぼりました。

 

EDの最後に全員集合しているシーンのモデルを探すため、街中だけでなく崖下の方にも足を伸ばしてみましたが、それらしいところを見つけることは出来ませんでしたが、代わりに打ち捨てられ、荒れ果てた廃墟と化した何かを見つけることは出来ました。

めちゃくちゃ落書きされていたので少し笑ってしまいました。どこも似たようなもんですね。

 

橋を渡りパラドール側へと戻ります。

こちら側にはパラドールくらいしか見るものはないのですが、実はパラドールの先にも道は続いています。せっかくなので進んでみます。やはりと言いますか、坂道をのぼっていくような道となっていました。

 

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あまり見る機会もないであろう上から見たパラドール。 

 

上までくるとパラドールがよく見えます。写真では分かりづらいかもしれませんが、パラドールの中庭は実は二つあるんですね。大きい方はフロントや食堂に面していて出られるようになっていますが、小さい方は出られないようになっていたように思います。建物内部からは見れたような気がしますが、何があったかビタイチ思い出せないのでまあ大したものはなかったのだと思います。

 

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 おじさんがプールの掃除をしていました。

 

パラドールの上にはプールやコートなど、スポーツが出来る環境が整えられていました。おそらくホテルに備わっているものだとは思うのですが、イマイチよくわかりませんでした。しっかり手入れされているらしく、おじさんが一人でプール掃除をせこせこと頑張っていました。さすがはパラドールといったところでしょうか、オフシーズンでもしっかり掃除しているようです。

 

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 生ハムが並ぶ豪華な朝食。何を食べてもうまい。

 

昨日は朝食の事をすっかり忘れてしまい、失意のどん底に叩き落された僕ですが、2日連続で同じ過ちを犯すほどのバカではございません。今日はしっかりと朝食の時間に戻ってきました。

そのラインナップの素晴らしさに、昨日朝食を逃したことを改めて後悔したりもしましたが、済んだことは仕方ありません。昨日の分を取り返すように貪るように取っていきます。スペインらしく、生ハムやチュロスはもちろん各種パンやフルーツが取り揃えられておりました。各種パンと表現したのは、パンの名前を全然知らなかったという情けない事情があったからなのですが、名前は知らなくともパンの美味しさは確かなものでした。あと何故かケロッグとか置かれててちょっと笑ってしまった。よく考えたらおかしくないんだけど、スペインでチョコワくんを見ると何か面白かった。多分チョコワくんを助けて!のせいだと思う。

 

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 パラドールに別れを告げます。リオ先輩の気持ちがほんの少し味わえたような気がしました。

 

朝食後、少しの休憩を挟んでからチェックアウトします。チェックアウト時は円かユーロか支払いを選べるようになっていたのですがどちらで支払ったか全く覚えていません。散々悩んだことだけはなんとなく頭にあるのですが・・・。

無事チェックアウトを済ませ、パラドールを出ます。街に出るためにサン・パブロ橋を渡っていると、ほんの少しだけですがリオ先輩の気持ちを味わうことが出来たような気がしました。まあ僕はパラドールに残してきた仲間なんてものはいないのですが、ここで過ごした時間はあまりにも心地よく、後ろ髪を惹かれる思いでした。

 

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 マヨール広場はすっかりお祭り仕様になっていました。

 

何をするにしても一度マヨール広場に出る必要があるので広場に赴くと、そこはすっかりお祭りの雰囲気に包まれていました。「FIESTAS SAN MATEO」と書かれた看板が掲げられ、準備に追われる人々が慌ただしく動き回っていました。アラルコンを訪れた後は、一度クエンカに戻ってくる予定にしていたため、そのときにお祭りを楽しむことができるはず。今から楽しみです。

 

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 この時計塔もいったん見納めです。

 

事前に調べた情報によりますと、クエンカからアラルコンに行くためには、あまり手段がなく、クエンカから「モティリャ・デル・パランカル(Motilla del Palancar)」までバスに乗り、そこからはタクシーで向かう、というのが一般的なようです。バスは新市街から出ているようでしたので、散歩がてら新市街のバスターミナルまでは歩いていくことにしました。

時計塔を見納め(ピッタリ12時で鐘の音を聞いた気がしますが記憶が曖昧)、新市街を突っ切ってバスターミナルを目指します。途中通りかかった噴水で子どもたちが水遊びをしているのを見て、どこも変わらないんだなと、カナタのような事を考えたりもしました。40分ほど歩くと目的地が見えてきました。当然ではありますが、バスターミナルは通りに面したわかりやすい場所にありました。

 

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 バスターミナル内部。全然お客がいなかった。

 

バスターミナルに足を踏み入れた瞬間、嫌な予感が僕を襲います。というのも、かなり広いバスターミナルだと言うのにお客が全然いないのです。何かがおかしい・・・。しかもよく見ると、奥にある窓口はひとつを除いて全てシャッターが降りています。まだ昼過ぎだぜ?こんなに早く閉まるとかあり得るか・・・?ぐるぐると様々な思考が行き交いますが確かめてみないことには始まりません。唯一空いている窓口には既にお客がいたので、まずは他の窓口に貼られている時刻表を確認してみることにしました。そこで突きつけられたのはあまりにも残酷な真実でした・・・。

 

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 絶望の時刻表。写真を撮ったけど文字が小さすぎて何もわかりませんね。

 

クエンカからモティリャ・デル・パランカルへ向かうバスは、確かにこのバスターミナルから出ているらしいのですが(それも最低2つは路線がある)、本数が極端に少なく(確認できたのは2路線合わせて3本)、しかも土日は運休しているようなのです。旅行をはじめてからはすっかり曜日の感覚なんかは消え失せていたのですが、よくよく考えると今日は土曜日。他の時刻表を見てみても、土日は大半の路線が運休しているようです。どおりでバスターミナルに活気がなかったわけですね。肝心のバスが無いんじゃ人が集まっているはずがありません。

最後の望みを賭けて、唯一空いていた窓口で身振り手振りを交えながら「アラルコンに行きたい!モティリャ・デル・パランカルに行きたい!」という思いを伝えたのですが(実際には地名を連呼しただけ)、「アラルコン」と言った瞬間にお姉さんの表情がものすごく強張っていたので、僕は全てを察したのでした。外国人って凄いのな、あんな表情、映画でしか見たことなかった。馬鹿にするとかではなく、ただただ気の毒そうな表情だった。もちろん、「モティリャ・デル・パランカル」行きのバスなんかあるはずもありませんでした。

 

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 高速鉄道AVEが来ない方のクエンカ駅。こちらも全然活気がなかった。

 

バスターミナルにいても何も解決しそうになかったため、ひとまず新市街にあるクエンカ駅へと向かいました。鉄道でアラルコンに向かう手段はないのですが、駅前にはタクシーの一台でも止まっているはずで、高く付きますが他に手がない以上タクシーで直接アラルコンに向かうしかなかったからです。しかし、そこでもまた僕は悲痛な現実を知らされるハメになったのでした。駅前に停まっている車は路駐ばかりで、タクシーなんぞ一台も見当たりません。そもそも、駅前だと言うのに店は殆ど開いておらず、人も全然いません。どうやらスペインの人達は休日を本気で満喫しているようです。このあたりから、いよいよ本気で焦り始めました。

大通りに出てタクシーを探してみますが一向に見当たりません。流れてくる車の中にもそれらしいものは一切いませんでした。他にタクシーが停まっていそうな場所といえば、高速鉄道AVEが停まる方のクエンカ駅があります。到着時に停まっているのをみた記憶もあったため、バスでもう一つのクエンカ駅に向かいました。ものすごく無駄なことをしているような気もしますが、このときの僕はタクシーを捕まえることで必死だったのです・・・。

 

到着した僕を待ち構えていたのは、「いよいよこれはどうしようもないな」という気持ちだけでした。予想を大きく裏切り、こちらの駅にもタクシーは停まっていませんでした。ここにタクシーがいなければ一体どこにいるというのでしょう。この後僕は、乗ってきたバスにそのまま乗りなおすという痴呆症寸前の行動をしてしまうハメとなりました。

新市街に戻ったものの、相変わらずバスはありませんし、タクシーも見つかりません。いっそパラドールまで戻ってタクシーを手配してもらうことも頭をよぎりましたが、チェックアウトしてから時間がたっており、対応してくれるか怪しいところです。ここで一瞬、「自転車を買ってそれで向かえば良いのでは?」という考えが浮かびましたが、Googleマップで調べてみると9時間位かかるという結果が出たため、即座に破棄されました。そもそも自転車をどこで買えば良いかもわかりませんしね。人間焦ってもロクなことがありません。

どうしたものかと歩を進めていると、街の案内図が飛び込んできました。そうか!最初からこれを探せばよかったんじゃん。こういう地図には大抵、街の案内所や大きな施設、はたまたタクシー乗り場なんかが記載されているものです。早速眺めてみますと、目当てのタクシー乗り場はあっさりと見つかりました。なんか駅とか関係ない、ちょっと広いくらいの道路にあるようです。そりゃ見つけられんわ・・・。

 

そう遠くはなかったので行ってみますと、そこにはタクシーの影も形もありませんでした。タクシー乗り場にタクシーがいないとは、ハッキリ言って何一つ意味がわかりませんでしたが、嘆いたところでタクシーは来ませんでした。普通の乗用車がバンバン行き交っていました。

というか、どう考えてもおかしいんですよね。普通タクシー乗り場って言うとタクシーが待機できるような場所があると思うんですが、ここにはそれがない。もしかしてここは、本当にタクシーを呼んで乗るだけの場所でしかないとかそういうオチなんじゃないの。しばらく待ってみましたがタクシーが来る気配はまったくもって皆無でした。

 

ここは諦めて、パラドールまで戻ってタクシーを手配してもらえるよう頼んでみるしか無いか、そう考えたそんなときでした。天よりの使いが現れたのは。その使いは初老の女性の姿をしていました。僕は救いを求めます。「タクシー!タクシー!」

女性はしばらく悩んでいたようでしたが、ふと何を理解した表情を浮かべると、呪文のような言葉を紡ぎながら僕の手を引いていきます。導かれるままに歩みを進めると、そこに現れたのは・・・。

とまあ、いらぬ小話を挟みましたが、タクシー乗り場とされる場所の近くにいたおばちゃんに思い切って「タクシー乗り場はどこですか?」と極めて紳士的に尋ねた所(実際にはタクシーと連呼しただけ)、とても親切な方だったようで、言葉もわからない怪しすぎる僕を、本当のタクシー乗り場にまで案内してくれたのでした。ちなみに、本当のタクシー乗り場はなんか公園みたいな場所の横にありました。案内してくれる最中、手を引きながら何かを語り賭けてくれたのですが、当然全く理解できなかったため、そこは申し訳なかったです。

それにしてもスペイン語でもタクシーは「タクシー」で本当に良かった。おかげでこのとても親切な方に助けてもらうことが出来ました。本当にこの旅行は助けられてばかりです。このおばちゃんは砦の乙女を名乗ってもいいと思う。

 

壊れたスピーカーみたいに「グラシアス!」を連呼しながらおばちゃんと別れると、すぐにタクシーがやってきました。人に聞くというのも大切ですね。言葉が通じずとも勢いでなんとかなったりするものです。

先に待ってた人がいたのに割り込みしてしまいそうになるという恥ずかしいハプニングもありましたが、次のタクシーもすぐに来たため、無事アラルコン行きの手段を手に入れることができました。

ちなみに、途中から写真が一切なく文章だけになってしまっているのは、写真を取る余裕が無いくらい焦っていたからです。マジで、目につく範囲にタクシーがいないか探し回りながら歩いてた。

 

 

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 やっと捕まえたタクシー。スペインのおばちゃんに感謝。

 

行き先を「アラルコン」と伝え、いくら位になるか尋ねたところ(例文集みたいなのは一応持ってきていた)、「100ユーロくらいだろう」とのことでした。日本円にして13000円ほどでしょうか。普段なら高いと感じたかもしれませんんが、これまでの不安を思えば安いものです。

必死の思いで乗ったタクシーですが、緊張の糸が切れてしまったのでしょうか。社内では爆睡してしまっていました。起こしてもらったのか、勝手に目が覚めたのか定かではありませんが、アラルコンが近づいた頃にちょうど目覚めました。

アラルコンに近づいても建物もろくにないだだっ広い土地が広がっていたので、血迷って自転車で来るという手段を取らなくて本当に良かったと思いました。多分熱中症とかで死んでたと思います。

 

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 アラルコンのパラドール。小さくても迫力満点。

 

1時間半くらいだったでしょうか。無事アラルコンに到着です。

お代はピッタリ100ユーロだったような気がします。お釣りはとっといてくれってやつをやってみたかったのですが、出来なかったはずなので確かです。

パラドールに来るまでに街中を通ってきたのですが、クエンカに比べかなり人通りが少なく、辺りを歩いているのも観光客らしい方が大半です。事前情報にあった過疎化の話はどうやら本当のようですね。その分、クエンカとは異なる落ち着いた時間が過ごせそうです。

 

来るだけでも一苦労でしたが、なんとか到着することが出来ました。クエンカに比べてアラルコンの情報が少なかったのも理解できます。こんな来にくい場所、ツアーではまず来ないでしょうしね。タクシーかレンタカー必須のハードルは中々高いようです。

クエンカのパラドールと異なり、アラルコンのパラドールはいかにも古城といった風体で佇んでいます。今日から2日間ここに泊まるのだと考えると、否が応でもテンションがブチ上がったのでした。

 

 

続く

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト舞台探訪記 「彼方ノ休日・髪結イ」

街に戻ってきてからの続きです。

先日、ソ・ラ・ノ・ヲ・ト情報局(@soranowoto_SotS)さんにこの旅行記が紹介されているのを見て大変驚きました。こんな日々のアクセスが1とか2の泡沫ブログをどこから見つけてくるのでしょうか。ソ・ラ・ノ・ヲ・トを愛しすぎるあまり、心を壊してしまった人が運営しているんじゃないかと要らぬ心配をしてしまいました。

もちろんですが、紹介されていた事自体はめちゃくちゃ嬉しかったです。おかげさまでアクセス数が普段の26倍!(もしくは13倍!)になりました。

 

2016年9月16日(金)

 

どうやら街の雰囲気が変わっているのは近くに控えた祭りのためのようです。18日から21日にかけてサン・マテオ祭りというのが開催されるそうで、ポスターを見る感じ牛も出てくるのでしょうか。木の柵で囲われたエリアは待避所みたいなものなのかもしれませんね。17日と18日はアラルコンで過ごしますが、19日には一度クエンカに戻ってきて一泊し、20日にクエンカを発つ予定となっていますので、少しでも祭りの雰囲気を味わってみたいものですね。

この時の僕は、のんきにこんなことを考えていたのですが、後日クエンカに戻ってきた僕は、このサン・マテオ祭りで大きなハプニングに巻き込まれてしまうハメになってしまったのでした。まあ、巻き込まれたとは言っても、よくよく考えると80%くらいは自分が悪いので、自業自得だったのかもしれません。

 

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後日撮ったサン・マテオ祭りのポスター。言葉はわからずとも祭感は伝わってくる。

 

それにしても祭の時期のクエンカに来られるというのは幸運なものです。旅行前の下調べではモデルになった場所がクエンカのどの辺りにあるのか、くらいしか調べていなかったので嬉しい誤算というやつです。しかも祭の前から、準備、祭の最中とそれぞれ異なる雰囲気のクエンカを味わえるのです。祭の最中なんかには1話のカナタと自分を同一視しすぎるあまり、テンションがぶち上がることが容易に想像できてしまいます。

実際、テンションを上げすぎたあまり、とんだハプニングに巻き込まれてしまうハメになったのですが。

 

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 路地の先には見覚えのありすぎるアレが。

 

祭に思いを馳せながら街歩きを行っていますと、いつの間にかまだ歩いたことがないエリアに立ち入っていました。実は今まではマヨール広場からパラドール方面と、街の北東部(坂を登っていく方)ばかりを見て回っていたため、南西部(広場から坂を下る方、バスが上ってきた方向)には全く立ち寄っていなかったのです。

特に意識していたわけではないのですが、各部を見てまわるのに時間をかけすぎるあまり、 こちらに来る暇がなかったと言うなのだけですが、この小さな街に来てから丸一日以上が経過しているというのに、まだ見てないエリアがあろうとは、どれだけ一箇所を見るのに時間をかけていたのか、伝わろうというものです。

そんなまだ見ぬエリアに立ち入り、ふと前を見ると陽の光に照らされた、ソ・ラ・ノ・ヲ・トファンには見覚えがあるはずの建造物が写り込んできました。

 

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ご存知、時計塔ですね。

 

向かう足も思わず早くなります。気づけば走り出していました。

何度も見たはずの時計塔が現実に目の前に現れます。

周りは比較的最近工事でもされたのでしょうか。綺麗なベンチなどが並んでいて、くつろいでいる方もおられました。写真からだとゴチャついた印象を持たれるかもしれませんが、実際にはひらけた場所などもあり、のんびりと過ごせるようにされておりました。そのため、地元民の憩いの場所になっているようですね。

時計塔の足元には階段が備え付けられており、その先には扉があったのでもしかして!と思いましたが、当然のように扉は固く閉じられておりました。「ゴツゴツ~ザラザラ~」をしてみたかったのですがどうやら叶わないようです。仕方ないので壁だけ触っておきました。それでも十分、「ゴツゴツ~ザラザラ~」でした。それにしても上る方法ってあるんでしょうか。

 

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祭は街を変化させる。

 

時計塔をたっぷりと堪能した後は、夕食をとりにパラドールへと戻ります。写真からはわかりませんが、こんなに明るくても、もう20時前なのです。夕食を楽しんだ後は優雅なクエンカの夜を過ごさなくてはなりません。

帰り道で街の雰囲気が随分変わっていることに驚かされます。窓は厚い板で覆われ、道端にはよくわからない機材が積まれています。機材はまだしも、窓を板で覆うなんてどんな荒くれた祭だよ・・・と思っていたのですが、これは多分祭で牛が出るからですね。窓に突っ込んできたら危ないので防護のためだと思われます。こういった景色から想像をふくらませるのも楽しいものです。地面にはおがくずのようなものが撒かれている場所もあったのですが、これは牛の足を傷めないようにするためかもしれませんね。段差とかあると危ないし。

 

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 今夜のメニュー。暗いし字小さいしで絶望的な撮影センスが分かる一枚。

 

部屋に戻り、少し休んでから夕食を味わいます。昨晩と違って一番乗りではなかったので、すでに結構な人がいたのですが活気ある食堂というのも悪くないものです。

相も変わらずメニューが読めないので、写真右下に書かれている「MENU TRADICIONAL DE CUENCA」を注文してみました。読めないなりに考えてみたのですが、メニューのところに一杯書かれていたのでコース料理的なものでは?と考えたからです。

 

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 テーブルマナーが全然わからないのでこの配置は恐怖でしかありませんでした。

 

見事に予想は的中し、代わる代わる料理が運ばれてきます。初めて冷製スープというものを食したのですが、思ったより美味しくて驚きました。コース料理は嬉しいのですが、こういう上等なレストランで食事をするのは慣れていないため、食器が取り替えられる度、どうやって食べるのが正解なのかビクビクしながら食べるハメになってしまったのでした。

 

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 食器にもパラドールのマークがしっかりと。

 

陶器の皿の下には、古くから使われていそうなお皿が敷かれていたのですがここにもパラドールの刻印が刻まれていました。物の価値がわからない僕ですので、こういうのを見ても、いいものなんだろうなあとしか感想が持てませんでした・・・。

あと、昨日はいなかった日本人ツアー客の団体もいました。シャイな僕はもちろん話しかけるようなことは出来ませんでしたよ。

 

食後のデザートとコーヒーもしっかりと堪能し、廊下のソファで一休みしてから夜の街歩き開始です。

 

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 夜の時計塔。しっかりとライトアップされています。

 

さっき来たばかりな気もしますが、ここが気に入ってしまったのですから仕方ありません。食後真っ先に向かったのは時計塔でした。

綺麗に整備されていたのでライトアップされているんじゃないかなーと思っていましたが、やはりライトアップされていました。昼間は人がいましたが夜は全然人がいませんね。

 

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 アキラ・アルカディア二世も夜に見ると雰囲気ありますね。

 

流石に水飲み場はライトアップされているということはなかったのですが、近くに街灯があったためか不気味に照らされておりました。どこかで見ましたが、作中と同じように扉が閉まっているカットを撮るには、店が閉まってからでないと無理だそうです。この時間はもちろん店が閉まっていたので余裕で撮る事ができました。

 

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 4話でカナタとノエルが買い物で通っていた道。

 

この辺りで写真を撮っていると、女の子二人を侍らせたイケてる感じの男に声をかけられました。ですが、どうやら完全に酔っ払っているらしく、さらに僕のことを中国人と

思っているらしく、しきりに「ニーハオ!」と挨拶してきます。

こう見えてもノーと言える日本人ですので力強く「No Japón!(違う、日本!)」と答えたのですが、その頃には彼らの興味は僕にはなかったようで、笑いながらどこかへ消えていきました。なんだかすごく悔しかったです。

 

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 EDの背景にも使われている光景。夜は人がいない写真が撮りやすくていいですね。

 

こうやって何気なくある光景でも、作中で使われていると思うと特別に見えてくるから不思議なものです。EDと比べてみると手すりや扉の有無など違いはありましたが、窓やパイプの位置なんかは細かいところまで一致していて驚かされます。

夜は人通りが少ないので写真が取りやすいですが、暗いために雰囲気が変わってしまうのがネックですね。

 

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 祭の準備で大忙しだったマヨール広場も静かなものです。

 

昼間は賑やかだったマヨール広場も静まりかえっています。

静かな広場をひとしきり眺めた後はパラドールへと戻りました。この日は満月だったらしく、綺麗な月を見上げながら帰りました。

 明日はアラルコンに移動します。

 

 

続く

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト舞台探訪記 「山踏ミ・世界ノ果テ」

昼食をとったところからの続きです。

 

2016年9月16日(金)

 

昼食をとり、猫とも別れ、周囲の探索を再開します。

街の門を出てから道なりに進んできましたが、街から門を出て左側はどうやら降りられそうになっていたため、気になっていたのです。右側は妙な形に切り立った岩場になっており、まるでカナタが鈴の音を追って、立っていたあの岩場のような場所のように見えますが、ひとまずこちらは後回しとし、階段を下っていきます。楽しみは取っておくタイプなのです。

 

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こんな景色を見せつけられては下りられずはいられないでしょう。

 

階段を下りるとそこは登山道のように整備されておりました。

ここから僕の遠足が始まります。

 

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 こういった案内もたっているので安心ですね。読めないけど。

 

僕が目指す方向は右ですので、一応その方向に何が待っているのか確認しておこうと案内に近づいたのですが、当然のように案内板にはスペイン語しか表記がなかったため、僕は呆然と立ちすくむしかできなかったのでした。

とかなんとか適当書いても良かったのですが、実際には冷静に携帯を取り出し、Google翻訳を駆使して案内板を解読していました。便利な時代になったものですよ。

 

さて、この世の叡智の結晶たるGoogle翻訳様によると、「Presa de Las Grajas」とは「ラス・グラハスのダム」、つまりこの先にはダムがあると看板は言っているわけですね。

 ダムと言えばカナタが沈んだのもダムのような場所でしたね。もしかして、この「ラス・グラハスのダム」こそがあの場所のモデルなのか?看板を見ると2.7km50minと書いてあります。この遠さから調査がされていなかったために判明していないだけで、行けば何か分かるのでは?看板ひとつからどんどん妄想が膨らみます。時間はたっぷりあるのです。だらだら歩くよりも目的地の一つでもあったほうが楽しいに決まってます。地図などありませんがダムなら川沿いに進んでいけばいずれ突き当たるでしょう。

 

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道中。のどかな道で遠足気分。

 

案内板が指す方向にはこのような道が続いていました。ただし、大部分は写真のように整備された道となっていたのですが、場所によっては「これって獣道なんじゃないの?」と、思わず疑いたくなるくらい草木が生い茂っている場所もありました。あまり見たことのないタイプの実をつけている木もありましたが、残念ながらヤマモモはなっていないようでした。

 

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 崖下に来たことを実感させる一枚。

 

草木が生い茂る場所ではどうしても下を向いて歩くことが多くなってしまうのですが、たまに顔をあげるとそこには広大な自然が広がっています。切り立つ崖などを見ていると、自分が崖下におりてきたのだと強く実感できました。

 

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 カナタ達が遠足で訪れた場所に似ているような気がする。

 

しばらく歩いていて思ったのですが、ここはどうも5話でカナタ達が遠足していた場所に似ているような気がします。切り立った崖に緑の斜面、所々に現れる大きな岩がどうにもそんな気分にさせてくれます。特徴的な建物などがあるわけではないので確証はもてませんでしたが、そう思って歩いていると、この光景がより素敵なものに感じられるのでした。

後々に調べてみると、カナタ達が遠足で訪れていたり、アーイシャを発見した場所のモデルとされているのは、クエンカ山地自然公園の「シウダ・エンカンターダ」だと言われているそうです。確かに作中にもでてくる特徴的な逆円錐形の岩群は、シウダ・エンカンターダにあるものをモデルにしているのでしょうが、地図や写真を見た限りではシウダ・エンカンターダはひらけた場所であり、緑もそこまで多くはないため、完全なモデルとするには説得力が弱い気がします。おそらくですが、僕が歩き回ったこの場所とのハイブリッドなのではないでしょうか。今回の旅行では確認できなかったため、いずれは自分の目で確認したいところです。

 

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 舗装された場所もあります。自分で言うのもなんですが、普通の観光客はこんな場所まで来ないと思う。

 

川とはかなりの高低差があったため、ガンガンと下っていきます。階段のように整備された場所もありましたが、崖のようになっているにも関わらず、柵も何もないようなところもあったので注意は必要です。

このあたりに来る途中にも幾つか案内板を見かけたのですが、気づけばいつからか「Presa de Las Grajas」の文字は消えていました。普通に考えれば川に近づいている分、案内が増えてきてもいいと思うのですが嫌な予感がしてなりません。

 

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 ようやく川に到着。草木が生い茂りすぎてて近づけない。

 

なんとか川にまで到着しました。川辺の方まで来るとガラッと雰囲気が変わり、起伏のないひらけた道に出ます。どこからやってきたのか、自転車に乗った人ともすれ違うことがありました。ここまで下りてくるのに約40分。案内が正しければここからそう遠くない場所にダムがあるはずです。ここから川を下っていくか上っていくかの選択が迫られますが、街から見下ろした際にダムらしきものが見えた記憶はなかったため、街の反対側、上流に向かって歩くことに決めました。

 

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 廃墟と化した何か。家ではないと思いますが物置でしょうか。

 

途中で廃墟に遭遇しました。崩れ去った建物に落書きされるのは万国共通なんでしょうか。こんな街灯も無いような場所に夜な夜なクエンカのヤンキーが集ったりするのかな。そう考えるとなんだか面白いですね。まあ落書き自体も描かれてから随分経過しているように見えたので、もうヤンキーすら寄り付かない場所になってしまった可能性もありますが。

 

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 カナタはこんな岩場にのぼって耳をすませていたんでしょうか。

 

そのまましばらくあるき続けましたが一向にダムらしきものは見えてきません。もう仕方ありません。できれば使いたくなかったのですが、ここはGoogleMap様に頼ることにしましょう。自分の足で確認してこそだと思っていたのですが、ダムの気配すら無いのですからもうどうしようもありません。文明の力に屈する瞬間です。

検索した瞬間、哀しい事実が僕を襲います。なんと「Presa de Las Grajas」で調べてみてもメキシコのよく分からない通りが引っかかるだけでクエンカ周辺は一切出てこないのです。仕方なくクエンカ周辺の地図を見てみましたが、ダムが設置されていることが読み解けるような場所は見当たらないのでした。僕が探していたダムは一体どこにあるのでしょうか。

 

地図を見てもわからない以上、むやみに歩き回っていても仕方ありません。仮にあったとしても地図から分からない程度では、僕が想像しているようなダムではないことは容易に想像できます。ここは切り上げてしまって岩場探索に移行したほうが良さそうです。

 

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サウンドトラックの表紙と同じ光景。こういうのはテンション上がりますね。 

 

上がってきたその勢いのまま再び展望台へ。ここから街を見下ろせばサウンドトラックの表紙と同じ光景が見られるのですが、先程撮り忘れていたため再び登る必要があったのです。

 

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 展望台から見下ろした岩群。切り立っていることがよく分かる。

 

展望台からはこれから向かう岩場もよく見えます。こういった景色を見ているとクエンカが崖の上に建てられた街なのだと実感できますね。街を一歩出るだけで味わえる圧倒的な光景。今更ながらに遠い場所まで来たのだな、と思いました。

 

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 パラドールとクエンカ旧市街を結ぶサン・パブロ橋。

 

展望台を下りて岩場に向かいます。ここからの景色もまた素晴らしいですね。パラドールと旧市街、これらを結ぶサン・パブロ橋が一望できます。ED最後のシーンはこのあたりの何処かから見たものかと思われますが、角度的にはもっと下から見たもののようですね。

 

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 奇妙な形の岩が集まっている。どうなればこんな形になるんでしょうね。

 

こういった岩が並んでおり、自由に近づくことが出来ます。ただし、岩と岩との隙間が大きく空いていたり、ちょっと足を踏み外しただけで余裕で死ねる高さにも関わらず柵も何もない状態ですので、あまりテンションを上げすぎないように気をつけないといけませんね。絶対毎年何人か死んでると思う。

 

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岩に映る影も素敵。

 

一話ではカナタの影は崖下の水面に映されていましたが、こちらには水が無いため岩場に映すことになります。撮っていて気がついたのですが、夕日に照らされた影が崖下方向に伸びていないということは、セーズの街とクエンカの街はその位置する方角が違うのかもしれませんね。まあ、セーズの街はアラルコンもモデルに含んでいるために、単純に比べるのも間違っているのかもしれませんが。

 

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 舗装されていたであろう階段を下りていくことも出来る。

 

 完全な自然物だけではなく、舗装されていた階段なんかもあります。写真にも少し写っていますが、階段を降りた先には古びた門がありました。いつごろ建てられたのでしょうか。すっかり機能していないようですが、これからもここに在り続けるであろうその姿は哀愁を漂わせておりました。

 

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 上にも登れるようになっていました。

 

門は横から登れるようになっており、これを通って先へと進めるようになっていました。翌日気がついたことなのですが、この岩場群はパラドールから見ることが出来、この門もよく見ることが出来ます。どこかのサイトではカナタが乗ってきた列車が通っていた橋のモデルになっているのでは?という意見を見たような気がします。たしかにそう見えなくもありません。

 

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古びた門。何のためにこんな岩場に建てられたのでしょう。

 

 一通り堪能したので街へと戻ります。結局、午後の殆どの時間は街の外で過ごしていました。最後のほうは岩場に佇みながら一通りサントラを聞くという行為に興じ、今自分はセーズにいるのだとよく分からないことを考えながら世界に浸っておりました。

街に戻ってみると、なんだか朝と雰囲気が変わっていることに気が付きます。雰囲気がどうこうというよりは、明らかに朝にはなかったはずの柵なんかが出現しており、やけに人々が色めき立っています。これから何かが始まるような、そんな気配が街を包み込んでいました。

 

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 戻ってきたら街の雰囲気がガラリと変わっていました。

 

そんな街の変貌に気を惹かれ、すぐにはパラドールへ戻らずにもう少しだけ散策を続けるのでした。

 

 

続く

 

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト舞台探訪記 「梅雨ノ空・玻璃ノ虹」

遊びすぎて期間が空いてしまいましたがまた書いていきます。書き終わるのはいつになるのだろうか。

 

 

2016年9月16日(金)

 

気持ちのいい朝です。普段は布団の中から抜け出せない僕も、ここでは一味違います。起床ラッパが響き渡っていれば完璧だったのですが、そんなものはなくとも綺麗に起床できてしまうです。

手早く身支度を済ませ、朝日に照らされるクエンカの街を見に行きます。

 

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1話の最後で朝日に照らされていくセーズの街を連想しながら撮りました。

 

こうしてみると、クエンカが本当に崖の上に建てられた街なのだと実感できますね。

今日はこのまま、散歩がてら昨日見られなかったところを見て回っていきます。しかしこの時、僕は大きな間違いを犯していたのです。というのも、朝晩付きのプランで予約していたにも関わらず、何を勘違いしていたのか、朝は付いていないものだと思い込み、朝食をとらないまま出てきてしまったのです。

気付いたときには既に遅く、朝食の時間はとっくに過ぎ去ってしまっていたのでした。翌朝、朝食の豪華さに驚いた僕が、再び失意の底に陥ったのも無理はないことだったのでしょう。

 

まずは一番身近なところから入っていきましょう。

パラドールの横は教会だそうですが、今は美術館として様々な作品が展示されているようです。いくらかの入場料を支払い、中を見学します。正直、僕は芸術にはものすごく疎いので、展示されている作品はさっぱり意味がわからなかったのですが、この建物内に入れているという事実にものすごく興奮し、隅から隅まで見て回ってしまいました。展示の都合上、隠れて見えなくなっている箇所もあったのが残念でしたが、十分に堪能することが出来ました。

 

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芸術はさっぱりでしたが、中に入るだけでも楽しめると思います。

 

橋を渡った先にある宙吊りの家も美術館として公開されていました。

ちなみにこの場所はBD3巻の表紙でクレハが走っている場所になっています。日中は結構人通りがあったので、人がいない状態で撮るのは難しいかもしれませんね。

 

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奥に抜けていくとパラドールに渡る橋へとつながります。

 

こちらの美術館はパラドール横のものよりも広く、各階に別れて様々な展示替してあります。どちらもそうなのですが、現代芸術というのでしょうか、ただ絵が飾ってあるだけではなく、何か不思議な創造物があわせて展示されていました。その辺特に疎い僕は何が何やらという感想しか持てていなかったのですが、時たま心惹かれる絵などもあり、途中からは普通に美術館として楽しんでいる自分に気が付きました。

宙吊りの家の美術館は上へ上へとあがっていく展示方法になっています。上がっていくうちに窓の外にひろがるあるものに気が付きました。

 

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ここはもしや。

 

宙吊りの家といえばナオミさんがリオに連れられてきたカナタにお風呂をごちそうした場所。そして、この高さにこの造り。これはカナタが落ちそうになった場所で間違いないでしょう。柱の形状なんかもおおよそ一致します。

 

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カナタがシュコを追って落ちそうになった場所。

 

そうか。ここでカナタははしゃぎ、リオの鈴を聞き、シュコに鈴をもっていかれたんだな。ある意味、ここから物語が始まったと言っても過言ではありません。

そのまま辺りを見渡していると、窓の外にひろがるある光景に気が付きました。

 

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よく丹精して育てられたであろう家庭菜園。

 

崖の上に家庭菜園が広がっていました。第1121小隊の家庭菜園はここから着想を得た可能性もあるのかな?と考えながら見るだけで、ただの家庭菜園もどこか楽しく見ることが出来たのでした。

内部は当然ですが美術館として機能しているため、特に作品と関係があるものがあるわけではないですが、歴史ある建物が元となっているからでしょうか、扉や窓といった小物を見ているだけでも雰囲気に浸ることが出来ることでしょう。もちろん、楽しめる絵画なんかがあれば、それは素敵なことですね。

 

美術館を出た後は、ひとまずマヨール広場へと向かいます。クエンカ旧市街は何をするにしても一度ここへ出てしまったほうがわかりやすいので、滞在される方は何度もここを訪れることになるかと思います。作品内でも何度か出ている場所ですので、何度来ても楽しめることでしょう。

今日は目には入っていましたが結局入っていなかったカテドラルへ入場します。バスで広場へ到着した僕を圧倒的な存在感で迎え入れてくれたカテドラル。ユミナ達が暮らしていた修道院のモデルでもあるようですが、ソ・ラ・ノ・ヲ・トを抜きにしてもクエンカの主要な観光地であることは疑うところはないでしょう。

 

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 圧倒的な存在感を誇るカテドラル。主に大聖堂と訳されるようですが、そこらへんの細かい違いは学のない僕には分かるはずもないのでした。

 

いくらかの入場料を支払い、内部の見学を始めます。入場料がいくらだったかはもう覚えていませんが、十分に支払う価値があると思いますのでケチケチせずに入ってみるべきです。何かツアーのようなコースもあったようですが、解説を聞いたところでビタイチ理解できないであろうことが確定していましたので、一人でのんびりと見て回りました。

ただ、ガイドがどこで説明を行っているかはこっそりと確認しておき、人がはけた後でそこを撮影しておくといったことはしておりました。当時は、(賢く観光できてるなあ)などと考えていたのですが、今になって写真を見返してみても結局何を撮ったものなのかは分からず、(わあ、綺麗だなあ)というアホ丸出しの感想しか出てこなかったため、そんなに賢くはなかったようです。

 

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カテドラルの内部はこんな装飾が至る所に散りばめられているため、見ていて飽きない。 

 

内部は基本的に撮影可能なので、バンバン撮りまくってやればいいと思います。どこも美しく、厳かな雰囲気が漂ってはいますが、それは決して僕達を突き放すようなものではなく、共に在ってくれるもののような気がしました。宗教的価値観は持ち合わせていない僕ですが、それでもここが特別な場所なのだということはなんとなく理解できたのでした。

美しい装飾はもちろん見どころのひとつなのですが、個人的にはステンドグラスも合わせて見ていただきたいところです。今まで意識して目を向けたことはなかったのですが、ここで初めてステンドグラスの美しさに気付かされました。また、ステンドグラスはそれ自体が美しいだけでなく、それを介することによって得られた光もまた、美しいのです。

厳かな美しさを持つ装飾が、その光によって更に際立つのです。ここでなら、確かに何かに祈りが通じそうな気がしました。人々を手を合わせたくなる気持ちにさせる何かがここにはあるのです。

 

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ステンドグラスの光に照らされる像。ただ美しい。

 

カテドラル内はかなり広く、別館のような場所もあるため、一人で見て回っても1時間は楽しめるかと思います。僕の場合は、この場所がやけにハマったこともあり、1時間以上滞在し、気がつけば100枚以上の写真を撮っていました。普段写真を取らない僕からするとこれはかなりの枚数です。「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」とは直接関係がないため、写真はあまり貼ってないですが、おすすめできるスポットであることは間違いありません。

 

カテドラルを出た後は街の探索を開始します。昨晩見て回ったところを中心に見て回ることとしましょう。日が落ちてから見るのと日中見るのとでは、雰囲気がかなり違ってくるはずですからね。 

 

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 カナタがしょげていた場所。ここから鈴の音を追いかけていく。

 

この場所は日中に見たほうがワクワクさせてくれますね。作品内の時間とリンクしていたほうが、より深く入り込める気がしてきます。ここでカナタは鈴の音に気付き、音を追って街の外へ向かっていくのです。写真ではわかりにくいですが、実際奥に見える門

 をくぐり抜けた先にはカナタが上っていたような特徴的な岩場が広がっています。

 

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1話でカナタが街歩きをしていた際に通った場所。

 

先程の場所から奥へと向かわず、右手にある階段を下っていきますと、このような景色に出会うことが出来ました。カナタが街歩きをしていた際に通った場所ですね。こうしたスポットを結んで、カナタがどんなルートで街を歩いていたのか考えるのも楽しいかもしれませんね。

 

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炎の乙女の儀式が行われていた場所。絶壁の上にあります。

 

こちらは昨晩見たときの方が、より浸れる環境だったように感じます。やはりこういった場所は作品内と同じ時間帯に訪れたほうが良いのかもしれませんね。 昼間は昼間で楽しめるのですが、夜にあった独特の空気は、当然ですが昼間には感じられませんでした。

 

本当は街を一通り見て回ってからにしたかったのですが、いい加減に我慢ができなくなって来たため、ここで一度街の外に出ることにしました。カナタがくぐったであろうあの門を通る時が来たのです。

 

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 街の内外を分断する門。門と言っても扉などがあるわけではないし、人が立っているわけでもない。

 

この門は隣が展望台のようになっており、周囲を一望できるようになっています。昨晩上ったところですね。街自体が小高い場所にある中で、この門は一番高いところにあるので絶景です。

 

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左に見えるのが門の先。右に見えるのがパラドール。なんて贅沢な眺めなのでしょう。

 

何度でも見たくなるこの景色。ある意味でソ・ラ・ノ・ヲ・トを象徴するといっても申し分ないでしょう。

 

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街の外から見た門。

 

展望台を降り、門を抜けます。振り返った景色は、何処かで見たような気がして、もしや1話のカナタが到着した場所?とも考えましたが、よくよく調べてみるとカナタが到着した場所のモデルはここではなく、アラルコンにあるとのことでした。どうやらただの勘違いのようです。

 

ちょうど昼食の時間だったので、ここで一度昼食を取りました。門を出て少し歩いた先にレストランがあったのでそこで済ませるとしましょう。案内されたのがテラス席だったためか、やけに蝿が寄ってきて大変でしたが食事自体は大変美味しく頂けました。

あと店で飼われている猫でしょうか。コイツがやけに寄って来ては皿を狙ってくるので緊張感も味わえてよかったですね。まあ、早く止めろや店員とは思いましたが。

 

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 愛くるしいフォルムで偽装しているが、淡々と食事を狙う魔物。

 

食事後は街の外の探索に入ります。クエンカの魅力は街中だけではないのです。

 

 

続く