僕は普段から「ギャンブルとしての競馬が好きなんじゃない!興行としての競馬が好きなんだ!」と熱弁を奮っているのですが、そんなことを言ったところで周囲の反応としては「結局お金が欲しいんでしょ?」「そんなこと言っても馬券買うんでしょ?」「そもそもお前誰?」という、あまりにも無理解なものであったため、僕は絶望のあまりATMから有り金を全部引き出して、好きな馬の単勝馬券(一着だと当たり)へと変換してしまったのでした。
そしたらあっさりと勝ってしまったため、思わぬ大金を手に入れた僕は「やっぱり金が一番だな…」という現実的すぎる結論を得て、2018年を終えたのでした。おわり。おわらない。さっきのは現実を直視出来なかった僕が見た幻覚だったわ。実際には二着であっさりと全財産を失ってしまったため、呆然とするあまり幻覚を見てたんだった。しかもこれ2017年の話だった。
そんなわけで全財産を失ってしまった僕でしたが、競馬への情熱はこれっぽっちも失せていなかったため、去年2018年は中央競馬において開催されるG1競走すべてを生で見てやろうと決めたのでした。競馬への情熱があると何故G1競走をすべて生で見ることになるのかは分からないかもしれませんが、それはもちろん僕にも分かりませんでした。
というわけで、2018年に開催されたG1競走24レース+αの観戦記録です。G1競走は主に日曜日に行われているため、最低でも僕は24回の日曜日を競馬場で過ごしたことになります。場合によっては遠征の必要もあったり、G1以外のレースも見に行ったり、平日だって予想についやしてみたりと八面六臂の活躍をみせていた僕がどれだけの時間を競馬という悪魔の遊びに捧げたのか。そのあたりまで考え出すと震えが止まらなくなってきたため、戦争の記憶を後世に伝えるおじいちゃんのように、この悲しい出来事を真似する人が出ないように、せめてここに書き記していこうと思います。
主な対象は以下のURLで案内されているJRA(日本中央競馬会)主催のレースです。
http://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/replay/2018/g1.html
2/18 フェブラリーステークス(東京・ダート1600m)
一年の始まりのG1は東京開催だったため、まだまだ寒い中夜行バスに乗って東京へと向かいました。夜行バス到着後はもちろん他にやることなぞ無いため、まっすぐ府中にある東京競馬場へ、ほとんど開門と同時に場内へと滑り込みます。
僕が見ようと考えていたG1競走はだいたい15:30以降に発走されるため、本来であればこんな朝8時だとか9時から競馬場にいる必要はないのですが、僕はG1競走を見るだけでは飽き足らず、コレクター魂を炸裂させてしまったばかりに、あるものを集めるためにこれ以降も朝から競馬場へ行くハメになってしまったのです。
競馬場にはターフィーショップというグッズ販売店があるのですが、ここではG1開催週になると、そのG1競走名がプリントされたタオルが限定で販売されます。これを持っているということは、そのG1を現地まで見に来たという証になるため、これを24枚集めることで年間G1観戦の証明としようと考えたわけです。
朝早くから来場した甲斐もあり、問題なくタオルを購入し、ここから始まる長い一年に向けて最初の一歩を踏み出したのでした。
ちなみに馬券の方は当たりませんでした、というかこの日一日すべてのレースが当たらなかったので普通に泣きそうになりました。しかもこれが友人たちと来てワイワイ騒ぎながら当たっただの当たらねえだの言ってるならまだ救いがありますが、完全に一人ですからね。夜行バスで東京まで来て、競馬場にほぼ丸一日いて、また夜行バスで帰っていくまで全部一人でしたからね。それでいて予想も全く当たらないってどうなっているんですか。何しに来たのか全く分かりません。
悲惨な一年の幕開けになりましたが僕の心は折れませんでした。だって今までも僕は競馬を一人で見るのが普通だったから…。今回はちょっと遠出したのに負けたからいつもより悲しい気がするだけさ…。
3/25 高松宮記念(中京・芝1200m)
少し暖かくなって迎えた名古屋でのG1です。どうせ来ないだろうと思いつつも一緒に来ないかと友人に声をかけてみましたが、あえなく撃沈。それどころか「何故わざわざ現地まで行く必要があるのか」「名古屋まで行って競馬だけ見て帰ってくるとかアホじゃないのか」と詰められるだけ詰められて終わってしまいました。うるさいな…、それが僕の競馬愛なんだよ…、と強がってみましたが、まさかの、まさかの!この日も的中0で終わってしまいました。バカな…!
もちろんこの日も朝から晩まで一人なわけで、ずっと当たらない馬券を握りしめながらレースを見ていると、まるで何かの精神修行を受けているような気がしました。
ようやく迎えたホームグラウンドでのG1。流石に近所ということもあって友人を誘うと二人が来てくれることに。狂喜した僕は何をトチ狂ったのか、結構な額を降ろしていってしまったのでした。あんまり具体的な金額は言うのが憚られるのですが(バカだと思われるから)、30万円降ろしていきました!そして非常に恐ろしいことにこの日も朝から全然当たりません。メインの大阪杯の直前まで1回も当たっていませんからね。
ちなみにこの大阪杯には僕が一番好きな馬であるアルアインが出走することになっており、僕の予想ではどう考えてもアルアインが勝つだろうと思っていました。念の為、友人二人に聞いてみたところ、二人ともがアルアインだろうと返してきたので、めちゃくちゃ嫌な予感がしながらも、「俺たち勝つときも負けるときも一緒だな!」と悪いクスリでもキメているかのようなテンションでレースに臨むことになりました。
もちろんアルアインはあっさりと3着に敗れ去り、僕たちは見るも無残な結果に終わったわけですが、お互いに負けた額を聞いてみると、皆それぞれ7万円ずつ負けていたことが判明し、「これが友情ってやつだな」と完全に頭がイッてしまった解釈をしながら帰路についたのでした。
負けた額は大きくても、皆で一日楽しめたことが何よりも嬉しいと当時は思っていたのですが、こうやって日記を書くにあたり思い出してみると、三人共合わせて20万円も負けたというのにヘラヘラしてたのは相当におかしいですね。やっぱ競馬やるやつってバカしかいないのかもしれない。
先週一緒に行った二人から「今週も行くんやろ?俺もついていくわ」と 連絡を受けたのでまたアホ三人で行くことに。皆言葉には出しませんでしたが、先週の負けを取り戻す気が満々なのは明白でした。
桜花賞はラッキーライラックとアーモンドアイの2強ムードが漂っていましたが、僕たちの見解としてはアーモンドアイは戦ってきた相手が弱く、走破タイムも大したものではない、それに比べラッキーライラックは強いメンバー相手に勝ちきってきており、ここもあっさり持っていくだろうというものでした。
レースの結果は、直線抜け出たラッキーライラックを大外からアーモンドアイがあっさりと抜き去っていくというもので、僕たちはまたしても三人仲良く負けるハメになったのでした。帰り道は三人共笑っていたのですが、これが喜びからくるものではなく、もう笑うしかない状況に追い込まれた人が見せる下卑た笑顔だったのは言うまでもありません。
友人がポツリと呟いた「競馬なんてやるもんちゃうね」という言葉がやけに印象に残りました。
4/14 中山グランドジャンプ(中山・障害4250m)(J・G1)
G1とは少し違うのですが、障害競走のJ・G1です。前年度障害界の王者オジュウチョウサンの障害引退となったレース。レコードタイムで駆け抜けた彼を障害に留めず平地で新たな夢を見ようとしたオーナーは素直にすごいと思う。ただただ圧倒的なレースだった。単勝ちょっとだけ取れて嬉しかった。まあこれまでの負けに比べれば微々たるものでしたが。
4/15 皐月賞(中山・芝2000m)
大本命であったダノンプレミアムが回避したことで混戦模様が強まったクラシック初戦。天候の悪さも相まって予想は難解なものになりました。レースは先団から離れた四番手に控えていたエポカドーロが直線抜け出し、後続を振り切って一つ目の冠を手に入れました。三冠馬であったオルフェーブルの初年度産駒がクラシックを制したということで盛り上がっているところもありましたが、当然のように僕は外していたため、盛り上がるもクソもありませんでした。なんかこの日も全然当たらなかった。呪われてんのか。
4/29 天皇賞(春)(京都・芝3200m)
過去2年はキタサンブラックという絶対王者がいたために予想が非常に楽だったのですが、今年は王者不在どころかなんとも微妙な面子しか揃っていなかったため、あまりワクワクできないタイプのG1となってしまいました。それでも予想してみると楽しいもので、ついつい熱が入ってしまい今日は天皇賞以外のレースは買わない!と決めていたにも関わらず、普通に関係ないレースとかまで買っていました。なんか長距離レースって好きで妙にテンションが上っちゃうんですよね。
気になる結果の方はといいますと、2レース買って2レースとも当たっているのに何故か財布からお金が減っているという摩訶不思議な結末となってしまいました。予想が楽しくなって色々なタイプの馬券を買ったものの、一番安いパターンしか来なかった。面子だけでなく結果までなんとも微妙なものになってしまいました。
5/6 NHKマイルカップ(東京・芝1600m)
ここからは恐ろしいことに5週間に渡り東京でG1が開催されます。ということはつまり、僕は5週連続で上京しなければならないということです。5週連続といったばかりですが、実は個人的な用事があったことから、皐月賞以降3週間に渡って上京していましたので、合わせて8週連続上京となってしまいます。 何がどうなってこんな事になっているのか全くもって意味が分かりませんでしたが、ここで諦めるのも嫌だったので男らしさあふれる僕は8週連続上京を決意したのでした。こういうところは自分でも立派だなと思います。
5週連続の初戦となったNHKマイルカップですが、どうせ不人気G1だろうと舐め腐って昼頃に競馬場へ向かったところ、割と普通にタオルが売り切れていたので全身の毛穴という毛穴から出血して死にそうになりました。そんな…!ここまで集めてきたタオルがすべて無駄になるっていうの…!?
ですが、ヤフオクを確認してみたところ普通に出品されていたのでポチリ。お、即決で出てるじゃん、確実に手に入るなんて親切だなあ。
早くも自分の中の基準が曖昧になっていることを感じ取ったのですが、そこはギュッと目を瞑ってレースを楽しむことにしました。今後も買い逃したときは普通にヤフオクを使うことになります。まあでも実際に競馬場には訪れているわけですから問題はありませんね!
ぶっちゃけレースの内容は一切覚えていないのですが(レース動画を見てみたのに全然思い出せなかった)、外したんだろうなということはよくわかります。だって当たってたなら絶対記憶に残っているはずですからね。おそらくあまりにも外しすぎるのでそれを日常と認識した脳が「これは重要ではない」と判断し、海馬から記憶を消し去ってしまったのだと思います。
全く関係ありませんが、この日の夜は乗る予定だった夜行バスを逃してしまい、翌朝新幹線で帰るというウンコみたいなことをしてました。出費だけがかさんでいくよ。
5/13 ヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)
何も覚えていない。こんなレースあったっけ?
5/20 オークス(東京・芝2400m)
この日のことはよく覚えています。なぜなら予想がバッチリ一点で当たっていたからです!
この日も当然のように一人で競馬場へ向かっていたのですが、まず入場直後の来場キャンペーンでオークスロゼットなる胸につけるような飾りをゲット。間抜け面を晒しながら意気揚々と胸にオークスロゼットを装着しました。今考えると成人男性が一人でニヤニヤしながら胸に飾りを着けているさまはさぞ異様に映ったことかと思います。
そして迎えるオークス。桜花賞のときはその強さを疑っていたアーモンドアイでしたが、今となっては疑う余地はありません。あとは桜花賞の上位で決まりでしょう。というわけで予想は一点で固まっていたのですが、ああ、何ということでしょう。これまで全く当たっていなかった反動からか、流石に一点で当たるわけはないだろうと、直前になって買うつもりのなかった馬券まで買いだしてしまったのです。
結果は予想していた一点でバッチリ決まり、勝つには勝ったのですが、直前に買い足した紙切れのせいで思っていたほどのプラスにはなりませんでした。己の強さと弱さ、信念に向き合えるいい競技ですね、競馬って。僕は意志の弱さが露呈しましたけど。
5/27 日本ダービー(東京・芝2400m)
この日は友人たちと朝から並んで場所取りへ。
この年のダービーは開門時間が例年に比べてもかなり早く、7時には門の前にいる必要があるという予想外のものとなりましたが、なんとか時間までにたどりつき第0レースに備えます。第0レースというのは開門前に並んでいた人たちが、入場門から観客席にかけてまるでターフを駆ける競走馬のように、少しでもいい場所、いい席を取るために、観客席側に向かって一斉に走り抜けていくことを指します。
開門時間を迎え、第0レース発走です。もともといい位置に控えていたことに加え、先行集団が老人ばかりだったこともあり、難なく良い位置を抑えることが出来ました。これは実際に走ったことがある人にしか伝わらないと思うのですが、多数のライバルたちを抑え、目的の位置を押さえる事ができたときの達成感と言ったら、なんともいい難いものがあります。
第0レースまでは順調だったわけですが、肝心のダービーはというと、予想の軸にしていた3頭が軒並み馬券外に吹っ飛んでいくという、どうあがいても当たることがない結果に終わってしまい、なんか諭吉が5人ほど巻き込まれて吹っ飛んでいくという結果に終わってしまいました。
普段は最終レースには手を出さないと心に固く誓っていたのですが(たいていろくなことにならないから)、この日は友人たちと来ているということもあって色々緩んでいたのでしょう。ついつい最終レースにも手を出してしまいました。狙っていた馬券のオッズが6倍程度で、ここを当てれば今日を取り戻せるという願望もあったのかもしれません。
というわけでこの日の負けは諭吉6人となってしまいました。クソッ!
6/3 安田記念(東京・芝1600m)
8週連続上京もようやく終わります。ここはバッチリと当てて終わりよければ全て良しの精神で有終の美を飾りたいところ。
この日の僕の気合の入れようったら半端なかったですからね。 普段なら極限まで交通費を抑えるために夜行バスを使うところを飛行機で飛んでいきましたからね。これで当たらなければもう何をやっても当たらないでしょう。
いつも以上に力を入れた予想を引っさげて、朝から府中・東京競馬場へを向かいます。平場のレースになぞ目もくれません。狙うはただ一点、安田記念での勝利のみ。思い返せば去年の安田記念も現地で見ていたのでした。去年は人気薄だったロゴタイプを予想の軸にすえ、高配当狙いの馬券を握りしめてレースを迎えました。結果はロゴタイプが見事2着に粘ったものの、最後に買うか迷って買わなかった馬が馬券に絡んだことで3連単28万円を取り逃してしまったのです。
もうこんな苦い思いはしたくない、当ててこの8週間を楽しい思い出で締めくくるんだ!
そして迎えた、第68回安田記念。
結果の方は見事的中!
とは当然ならず、すごすごと大阪へと戻るハメになったのでした。なんなんだよもう。
なんかこの日は関ジャニのだれそれが来るとかで朝イチはやけに女性の方が多かったです。開場時間もダービー並みに早く、すこし場所を離れていただけで入場列が締め切られており、普通に列に戻れなかったので並び直すハメになりました。早くから来た意味まったくなかった。
この宝塚記念で上半期のG1は終わりとなります。
だというのに、だというのに!いつものごとく全くのように当たらなかったため呆然とするしかありませんでした。
ですが勝ったのが和田騎手、17年ぶりのG1勝利とあっては文句も言えません。馬券は外れてしまいましたが、いい瞬間に立ち会えたものです。こう思えるときに自分は興行として競馬が好きなんだなあと実感できますね。あるいは単に負け惜しみとも言えますが。
ちなみにこの時点での回収率は52%です。思っていたほど負けてなくてよかったなあ!(ヤケクソ)
8/19 札幌記念(札幌・芝2000m)(G2)
G1ではないですが、一番好きな馬であるアルアインが出走予定ということで2ヶ月も前から飛行機のチケットを取って楽しみにしていたレースです。だというのにチケットを取った2週間後にまさかのアルアインがレースを回避することが決定。なんというか、ことごとくといった感じですね。まあ取ってしまったものは仕方ないので、北海道旅行を兼ねてレースを見に行きました。
一応旅行も兼ねているので、大阪杯を見に行った友人と一緒に行ったのですが、まさかのここでも3人の予想が被るという悲劇が。大阪杯、桜花賞に続き、もう嫌な予感がプンプンするのですが、今回はなんとそれを跳ね除け、ということには当然ならず、3人仲良く3度目の敗北を味わうことになりました。でも夜に食った寿司がめちゃくちゃ美味かったので良しとしましょう。良しとさせてください。
翌日は牧場巡りなんかをして歴戦の競走馬たちをみてテンションをあげていたのですが、たまたま馬のセリの時期と被ったらしく、セリ会場の見学へ。セリ会場の雰囲気にテンションを更に上げていたのは最初だけで、途中からは「でも周りにいるこのおっさんたちは馬買えるほどの資産があるんだよな…」と、全員が全員そうでもないというのに、勝手に凹むというわけのわからないことをしていました。でもワンアンドオンリーを見たらまたテンションが爆上がりしたので僕は結構単純なのかもしれない。
9/23 オールカマー(中山・芝2200m)(G2)
あまり馬券の写真を貼るようなことはしたくなかったのですが、何故か馬券の写真しか残っていなかったのでこんなことに。見れば分かるとは思いますが、完全にアルアインを見に来た形です。
レースを見ているあいだ、前の人はアルアインを買ってなかったのか、ずっと「アルアインくるなよ~、くるなよ~」とずっとブツブツ言ってたので、これには温厚な僕もブチ切れですよ。対抗して「アルアインいいぞ!そのままいける!」とずっと叫んでいてやりました。
結果はアルアインが2着と両者痛み分けのような形となってしまいましたが、前の人は2着にすら入らないと予想していたのか落胆しているのに対し、こちらは2着でも大丈夫な馬券だったため、かろうじて僕の勝利と言っても良い気がします。
こういう場外乱闘があるのも競馬のよいところですね。
9/30 スプリンターズステークス(中山・芝1200m)
下半期のG1は電撃の6ハロン戦から始まります。
この日は過去最大級の台風が近づいているとかで終始天気が悪かったのですが、幸いにも競馬開催中に雨が降り出すことはありませんでした。悪天候のときはレースも荒れると言われることもありますが、今回は硬い決着になるのではないかというのが、僕の予想でした。
レースの方はといいますと、1着はしっかり1番人気が来たのですが、2着に11番人気、3着は13番人気と波乱の決着になってしまいました。ほんと下半期になっても全然当たらねえな。
ちなみに帰る頃にはそろそろJRが計画運休を始めるとかで、当然のように大阪には帰れなくなってしまいました。夜行バスも当然のように運転取りやめとなってしまったため、負けた僕はネットカフェに身を寄せ、台風をやり過ごしたのでした。
次の日は普通に仕事だったわけですが、まさか台風の日、それも計画運休が決まっているのに東京へ行って帰れなくなったなどとバカ正直に伝えては、どう好意的に解釈しても馬鹿だと思われるに決まっていますので、聡明な僕は「体調不良で休みます」と伝えてなんとか誤魔化すことに成功しました。まあ帰れない時点で聡明もクソも無いんですけどね。
10/14 秋華賞(京都・芝2000m)
この日に関してはもはや予想とかそういうレベルではないですね。ジェンティルドンナ以来の牝馬三冠馬が誕生するであろう日です。
桜花賞、オークスと当然のように連勝してきたアーモンドアイにもはや敵はなく、ここも単勝1.3倍のダントツの支持を受けています。普段であればこういうレースは斜に構えて人気のない馬から攻める僕ではありますが、今日ばかりはそんな事も言ってられません。アーモンドアイが1着なのは当然として、2着3着になるであろう馬を探します。
結果は当然アーモンドアイが快勝。直線届くのかと不安になるシーンもありましたが、そんな不安もなんのその。逃げていたミッキーチャームをあっさり捉えて史上5頭目の牝馬三冠を達成しました。
馬券の方はといいますと、まさかミッキーチャームが2着に残るとは思っていなかったので普通に外しました。いい加減、外したって書くのも飽きてきたよ。
おめでとう。いい瞬間に立ち会わせてもらいました。
10/21 菊花賞(京都・芝3000m)
戦う度に違う馬が勝つ、そんな世代も最後の頂点争いを迎えます。
去年の菊花賞は台風に見舞われた中行われた極限の消耗戦でしたが、今年は快晴できれいなターフを舞台に開催されました。
春のクラシック戦線を引っ張ってきた連中が人気を集めましたが、結果は史上最小のキャリア3戦で菊花賞を迎えたフィエールマンが辛勝。遅れてきた新たなチャンピオンの誕生となりました。
もうわかってると思うけどまた外したよ。
10/28 天皇賞(秋)(東京・芝2000m)
この日もダービーと同じく第0レースから開始となりました。この日に備え、坂道での走り込みを行っていた僕は当然のように良い場所を押さえ、良い気分のままレースに備えます。
天皇賞にはアルアインも出走するため、予想にも力が入ります。まあ予想というよりはアルアインが好きすぎて願望みたいになってしまっている感は否めませんが、そんな僕が下した最終予想は次のようなものでした。
基本的には4歳牡馬が中心のレース展開になる。
アルアインは当然として、スワーブリチャード、レイデオロ、キセキ、ダンビュライト、サングレーザーの5頭を加えた6頭のレースになるはず。おそらくはダンビュライトが逃げる形になり、その後ろにアルアイン、キセキ、もしかしたらスワーブリチャードも控えるかもしれない。レイデオロとサングレーザーはこの3頭よりは後ろになるだろう、スワーブリチャードが出遅れた場合はこの2頭よりも更に後ろになるかもしれない。
ダンビュライトがアルアイン向きのペースを作り出してくれるだろうから、最後の直線でアルアインが抜け出し先頭、レイデオロ、スワーブリチャード、サングレーザー当たりが追い込むも2着3着まで。第158回天皇賞を制するのはアルアイン。これで完璧だ!
そんな事を考えながらしこたま馬券を買い込んでいたのですが、なんとレース出走直前になってダンビュライトが放馬、そのまま出走除外となってしまいました。そんな馬鹿な!
これでは予想どおりに展開になる可能性は1ミリたりともありませんが、もはや時すでに遅し。馬券は既に買ってしまっているのです。
祈るような気持ちでレースを見守ります。予想と反してレースはキセキが逃げる展開になり、その後ろにアルアインが控えます。これはこれで良い展開だと言えるでしょう。このまま最後の直線でキセキを捉えて先頭、後続を引き離せば完璧です。
そして迎えた直線、アルアインがキセキを捉えにかかります。レイデオロ、サングレーザーも追い込んできており良い展開です。いける!あとはアルアインが先頭に躍り出るだけだ!
まあなんというか、直線抜け出たのはレイデオロでそれに続いたのはサングレーザーでした。しかもキセキがしれっと3着に残ってしまい、アルアインは4着でした。うん、アルアイン普通に実力足りてなかった。
あとに残されたのは枯れるほど叫んだせいでガラガラになった僕の喉。
11/4 JBCスプリント(京都・ダート1200m)(Jpn1)
JBCクラシック(京都・ダート1900m)(Jpn1)
JBCレディスクラシック(京都・ダート1800m)(Jpn1)
例年は地方競馬場の持ち回りで開催されているJBC三競走が、今年は中央での開催となりました。全部見ると決めた年にこういう試みが開催されるのは素直に嬉しいものです。
三競走初戦JBCスプリントは、C.ルメール騎乗のグレイスフルリープが勝利。ルメールはアーモンドアイ、フィエールマン、レイデオロに引き続き、4連続のG1・Jpn1勝利となりました。
続くJBCクラシックではC.ルメール騎乗の1番人気サンライズソアが逃げ切り、このままルメール旋風が吹き荒れるかと思われましたが、最後の直線でケイティブレイブが襲いかかり、Jpn1競走3勝目を勝ち取りました。G1は勝ちきれないってところが良いキャラクターですね。
最後のJBCレディスクラシックは4コーナーでラビットランとアンジュデジールが並んで先頭、そのまま2頭の叩き合いにへともつれ込みます。直線半ばでラビットランが一瞬抜け出すも、内からアンジュデジールが盛り返し、これを制しました。ラビットランの単勝を握りしめていた僕は一気に天国から地獄へ叩き落とされた気分になりましたが、まあこれも競馬というものでしょう。
負けに慣れてきた自分が心底恐ろしいよ。
11/11 エリザベス女王杯(京都・芝2200m)
なんかもう全然当たらない。
真剣に予想したのに当たらない。
心が折れるかと思った。
でも好きなんだ。
これが恋ってやつなのかな。
もう何もわからないよ。
ああ。
11/18 マイルチャンピオンシップ(東京・芝1600m)
この日もアルアインが出てきます。ということは、予想が予想ではなく願望になるということです。ということは、不幸な未来しか見えないことは分かりきっています。僕も馬鹿ではないですからね。こんな時にあまりお金を下ろしていくのは良くないことだとよく分かっています。ですから財布に入っているだけのお金で楽しもうと、心に決めていたのでした。
ですが気がつけば競馬場のATMに朝イチで向かってしまっていたため、「自分は本当にどうしようもないやつだなあ」と下卑た笑みを浮かべることしか出来ませんでした。あとお金下ろす時にATMから「また来ておくれやす」とか喋りだしたのでめちゃくちゃ笑ってしまった。競馬場のATMが言っちゃ駄目だろ。
結果の方はといいますと、もう自分でも書いてて飽きてきたのですが、アルアインは3着でした。本当にもうね。
11/25 ジャパンカップ(東京・芝2400m)
このレースは紛れもなく日本競馬史に残るものとなるでしょう。
三冠達成後、アーモンドアイが選んだ道は古馬との初対決の場でもあるジャパンカップでした。海外からの参戦もあるなか、ここでもアーモンドアイは単勝1.4倍と圧倒的な支持を集めます。
この日も第0レースを難なく制した僕の予想は、天皇賞(秋)からも明らかなように、国内4歳牡馬勢の実力は疑うまでもない。しかし、それでもアーモンドアイの1着はまず間違いないものだろう。空いた2着3着の席に座るのは4歳牡馬であるキセキ、スワーブリチャード、ミッキースワローのいずれかである。展開によっては3頭のいずれかがアーモンドアイを逆転する可能性もある。特にミッキスワローは実力の割に人気がなく、馬券的に妙味が溢れている。
ということで、馬券は馬連、3連単を主軸に構成する方向で考えます。
レースは天皇賞に引き続きキセキが引っ張る展開になりました。そして普段は後方に控えていたはずのアーモンドアイが3番手で先行、スワーブリチャードも後に続きます。狙っていたミッキスワローはほぼ最後方と、ちょっと理解したくない位置取りとなってしまいましたが、前の3頭は十分に期待できます。
1000m通過タイムは59.9秒と緩みないペースが刻まれています。そして迎えた最後の直線、逃げ切りを図るキセキをアーモンドアイがあっさり捉え先頭へ。スワーブリチャードに、前年のジャパンカップ覇者シュヴァルグラン、最後方に控えていたミッキースワローが追い込みにかかりますが、アーモンドアイにかわされたキセキにすら届かず。
見事、アーモンドアイが古馬勢を押さえ込み、ジャパンカップを制したのでした。
しかし本当に驚かされたのはここからです。
ターフビジョンに表示された走破タイムは2.20.6。これは2005年にアルカセットが記録したジャパンカップのレコード2.22.1を1.5秒も更新するだけでなく、芝2400mのワールドレコードもを大幅に塗り替えるスーパーワールドレコードでした。アルカセット以前は1989年にニュージーランドのホーリックスが記録した2.22.2がジャパンカップのレコードだったと言えば、1.5秒も更新することの異常さが伝わることでしょう。
ちなみに、1989年は平成元年、そして2018年は平成30年と、平成最初と最後のジャパンカップは共に怪物牝馬がレコードでターフを駆け抜けたことになります。両者ともにありえねえと思わせるくらい一気にタイムを塗り替えているのが面白いところですね。
嬉しいことはまだありました。なんと、なんと!予想通りの展開になってくれたので下半期初となる馬券完全的中。レコード表示を見ながら咆哮をあげたのは言うまでもありません。やった!やったよ!
12/2 チャンピオンズカップ(中京・ダート1800m)
この日撮った写真がこんないつでも撮れるようなものしか無かったのには理由があります。なぜなら僕はこの日、チャンピオンズカップを現地で観戦していないからです!
違う、違うんですよ。写真を撮っていることからも分かるように、この日たしかに中京競馬場へは行きました。確かに朝5時に起きてアーバンライナーに乗って名古屋へと向かったのです。ですが悲しきかな、夕方5時から大阪でどうしても外せない用事があった僕はメインレースを見ることなく中京競馬場を後にしていたのです。
果たしてこれをG1観戦に含めていいのか、僕としても非常に悩んだのですが、よく考えれば現地に行って馬券は買ってるわけだし、そもそも現地に見に行ってもレースの大半はターフビジョンで見守ることになるわけですから、正直どこの画面で見ようと一緒って言うか!タオルも買ったわけだしいいんじゃないでしょうか!朝からでもG1の雰囲気は十分に感じられましたしね!
この辺を深く考え始めると、この旅の目的が分からなくなってしまうような気がしたので止めておきます。
なんか先週の的中で勢いがついたのか、今週もしれっと的中。まあこれで外していたら交通費かけて名古屋まで行った挙げ句、レースも生で見れていないという、精神修行の一環かな?と疑われるようなものを受けるハメになるところですからね。本当に良かった…。
あと競馬場にいるとき、「5だ!5が来た!買い間違いが来た!」って楽しそうに騒いでるジジイが居てめちゃくちゃニヤニヤしてしまいました。周りも皆笑ってました。残念ながら5は四着でしたが、こういうジジイになりたいと思った。
12/9 阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)
朝、競馬新聞を広げながら電車に乗っていると、これから部活に向かうであろう学生たちが明るい笑顔を輝かせながら乗り込んできました。彼らは青春真っ只中にいて、きっと夢に向かって打ち込んだり、恋に恋したり、友人たちとの何気ない会話を楽しんでいくことでしょう。目標に手が届かなかったり、失恋したりと悲しいこともあるかもしれませんが、それはきっと彼らを成長させることでしょう。
一方僕たちが味わう悲しみはといえば、馬券が外れただとか、麻雀で鬼のように負けたとか、そういう何の生産性もない悲しみだけです。
そんなことがふと頭に浮かび、 意味もなく朝から気分を落としてしまいました。クソッ!
落ち込んだ気分とは裏腹に、馬券の方は覚醒でもしたのか、今週もサクッと的中。
単勝100倍超えの大穴馬も狙っていたのですが、そちらは残念なことに5着でした。人気どころの決着となり、配当的にはあまり旨味は無かったのですが、当たるようになってきたということが何よりも嬉しい。大穴馬もなんやかんやで5着に来てますしね、予想の精度があがってきているのを実感します。負け続けたことで相馬眼が鍛えられたのかもしれない。
12/16 朝日杯フューチュリティステークス(阪神・芝1600m)
このレースには怪物と評されたグランアレグリアが出走することになっており、僕はこの馬のファンであったため、1週間前から様々な角度からレースを検討していたのですが、導き出された結論は、「グランアレグリアに死角はない」というものでした。単勝に突っ込むことも考えられるレベルです。
そして迎えた当日。
この日は朝日杯以外のレースに手を出す予定はなく、時間までに競馬に関係する本を読んだり、他のレースを見て朝日杯の展開予想の助けにしたりと、さらなる予想の進化に余念がなかったのですが、それでもなお、グランアレグリアが負ける姿が想像つきませんでした。
しかし、覚醒した僕は一味違いました。直前までは単勝に突っ込む算段をつけていたのですが、嫌な予感がしたことに加え、単勝オッズの旨味のなさから、突っ込むのを止め、別の券種で軽く買うだけに留めることに切り替えたのです。
結果的にはこの判断が大正解。
グランアレグリアは3着に破れ、僕の買った馬券は見事紙屑と化してしまったのでした。だけど、いつもの負けとは全く違います。普段の僕であれば単勝に突っ込んでしまい、桁が違うレベルの負けを食らっていたことを考えると、この程度の負けは些細なものでしょう。小さく負けて大きく勝つ。ここから僕の逆転劇が始まるのです。
12/22 中山大障害(中山・障害4100m)(J・G1)
障害界の絶対王者オジュウチョウサンが平地転向したため、そのオジュウチョウサンと鎬を削ってきたアップトゥデイトが単勝1.4倍と圧倒的な人気を集めます。
これまでの成績を考えると妥当な評価だと思われましたが、やはりここは一味ちがう僕。障害レースの1倍台の馬券を買うのは危険である、と冷静な判断を下すと、他に魅力のある馬がいないかと探してみます。しかしながら、他に魅力を感じる馬が見当たらなかったため、ここで僕は今年初となる見(ケン)(レースを見るだけに留めて、馬券は買わないこと)を使います。
結果はまさかの大波乱。アップトゥデイトがまさかの落馬により競走中止、勝ったのはもともとオジュウチョウサンに騎乗していた石神深一騎乗のニホンピロバロン。石神騎手は馬の力に頼って勝っていたのではなく、自らの実力と合わせてオジュウチョウサンを勝利へ導いていたのだと示しました。
それにしても危機回避能力を身につけた僕にもう敵はないのかもしれない。明日の有馬記念にも期待が持てます。
12/23 有馬記念(中山・芝2500m)
平成最後の有馬記念。
アーモンドアイが出走すれば面白かったのですが、残念ながら実現せず。しかし、他の面子は大変豪華で、平地転向してきたオジュウチョウサンも出走するとあって、まさしくお祭りといった様相です。
ここでも僕の予想は一貫しており、4歳牡馬が中心となるだろうとの考え。秋古馬三冠と言われる、天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念のうち、既に行われた2レースにおいて、アーモンドアイ以外馬券に絡んだのは全て4歳牡馬であったことからもレベルの高さが伺えます。
ジャパンカップにてワールドレコードの立役者となったキセキが再び逃げ、クリンチャー、レイデオロが先行集団でレースを進める。ミッキースワローはどうせまた後方でしょうが、ジャパンカップにて最後に追い込んできた驚異の末脚を考えるに、位置取りによっては今回は十分に届きうる。引き続き人気のない今回は狙い目でしょう。実力を考えるに、レイデオロ、キセキが本線にはなりますが、ミッキスワローも買いたいところです。
しかし、今回はもう一つ考えなければならないことがあります。それはジャパンカップの反動です。あれだけのスーパーレコードを叩き出した競走の後に全く疲労が残っていないとは考えにくいです。どの馬にどれだけ疲労が残っているかわからない以上、もう少し手を広げていくべきでしょう。
となるとやはり、ここはこの秋全てのG1で活躍している外国人騎手騎乗の馬から買うのが妥当というところでしょう。特にH.ボウマン騎乗のシュヴァルグランなんかは去年のジャパンカップ1着、有馬記念3着と侮れない成績を収めています。M.デムーロ騎乗のモズカッチャンも牝馬で斤量が軽く、面白い存在です。
4歳牡馬だけに決め打ちしない以上、予想にも力が入ります。
そして訪れた中山競馬場。あまりの人の多さからか、まともにネットに接続できず、オッズの確認も覚束ないというハプニングもありましたが、既に予想は固まっています。オッズが確認できないために、予想以上に馬券を買いすぎてしまいましたが、まあ問題ないでしょう。覚醒した僕の馬券が外れるわけがありませんからね。今回は嫌な予感もないし、ちゃんとジャパンカップの疲労という懸念事項にも対応している。完璧な馬券だと言えるでしょう。
レースの発走時間が近づき、競馬場の盛り上がりも最高潮に達します。ファンファーレが鳴り響きついにレースの出走を迎えます。
予想通りジャパンカップと同じようにキセキが逃げてくれましたが、レイデオロは思っていたよりも後方となってしまいました。ミッキースワローは今回は本当の最後方でした。ほんと予想を超えてくるね君は…、もう絶望的だよ。
最後の直線に入り、レイデオロが進出してきます。逃げ粘りを図るキセキ。最後方から驚異の末脚を輝かせようとするミッキスワロー。意地を見せるシュヴァルグラン。好枠を活かし抜け出そうとするモズカッチャン。
そして…。
勝ったのはブラストワンピースだ!
いやいや。
まさかの!勝ったのは完全に軽視していた池添謙一騎乗の3歳牡馬ブラストワンピースでした!いやー完全に予想外だった。
まさか4歳じゃなくて3歳で、外国人騎手じゃなくて日本人騎手のブラストワンピースが勝つとは思わんかったわ。ゴールの瞬間、泡吹いてぶっ倒れるかと思った。
この日死んだ諭吉は7人でした。覚醒とか言ってた自分が恥ずかしいわ。
12/28 ホープフルステークス(中山・芝2000m)
中央競馬最終日、去年新設されたばかりのG1です。ド平日の開催という狂った日程であったため、競馬のために有給を取ってくるハメになりましたが仕方ありません。
当日の中山競馬場には朝から向かったのですが、こんなド平日、しかも師走の忙しい時期に朝から競馬場にいるような連中は例外なく、なにか人生を間違えてしまったような奴らしかいませんでした。しかし、このときの僕は自分もその一人だとは気づいていないのでした…。
最後の中央G1ということもあってなんとしても当てたいという思いがあったのですが、実際には予想はほとんど必要ありません。なぜならサートゥルナーリアという怪物がいたからです。もういい加減自分でも飽き飽きで、こんな事を言うときはどうせ負けるんだろうという思いがあってもおかしくはありませんが、僕は根拠のない自信だけはたっぷり持っているのです。サートゥルナーリアは絶対に勝つ!
あとこの日は約4年ぶりとなるWIN5(5レースの勝ち馬を全部当てる馬券、最高6億円の配当がある最強の馬券)のキャリーオーバーが発生しており、そちらも見逃せません。こっちも当てて大勝ちの2018年とさせてもらいます。
そして2018年中央競馬最後のG1が発走となりました。
結果は見事、見事!サートゥルナーリアの勝利!今回ばかりは嘘じゃありません!勝った!勝ったんだ!
余勢を駆って最終レースである「2018ファイナルステークス」も見事に的中させ、2018年中央競馬をきれいに締めくくることが出来たのでした。
WIN5?なにそれ?
12/29 東京大賞典(大井・ダート2000m)
終わったのは中央競馬の話、地方競馬のG1はまだあります。そう、ホープフルステークスの翌日は地方競馬唯一のG1である東京大賞典の日です。
最後の大きいレースということもあってか、大井競馬場にも人が溢れています。地方競馬とはいえ、中央競馬の馬も多数出走するこのレース、予想も中央とそう変わりません。一年間レースを見続けてきたこともあって、力関係はすでに把握しているつもりです。
しかし、予想後にオッズを確認したところ、なんか僕が買おうと思っていた馬券のオッズがクソ安いことに気が付きます。その安さと言ったら半端なものではなく、1点で仕留めなければほとんど旨味がない、というか1点で仕留めても大した旨味がないと言う有様です。
そして僕の下した決断は見(ケン)でした。せっかくの最後のレースだから…といって安易に手を出さず、リスクとリターンを天秤にかけられるようになったのは大きな成長でしょう。
結果は予想した1点で的中していたのですが、もはや悔しさは感じませんでした。それが自分の決断だったからです。今までの僕であれば、「あー、やっぱ買っとけばよかった…」などと落ち込んでいたでしょうがもうそんなことはしません。悔しさを感じなくなった自分に、少しのもの悲しさとたくさんの誇りを感じた僕は他の観客に紛れて家路についたのでした。
これにて2018年G1観戦の旅は終了。
NHKマイルカップ以降もタオルが売り切れているという憂き目に2、3度ほどあってしまったのですが、インターネットの力を駆使して集めることが叶いました。インターネットって凄い。今うちには24枚のタオルが溢れています。どうすんだこれ…。
1回だけタオルが売り切れていた、以外の理由でインターネットの力を駆使したことがあったのですが、そのときの理由が「競馬場で少し目を離しているうちにタオルが盗まれたから」というマジどうしようもないものであったことには、流石の僕も驚きを禁じえませんでした。ほんと競馬場は魔窟だよ。
最終的な2018年のトータル収支は的中率23%、回収率63%でした。本当にありがとうございました…。
月別の回収率を調べてみたところ、2月の回収率はなんと!0%!これはすごい!
もしかして2月は馬券を買っていなかったのかな?と思って確認してみたのですが、もちろんそんなことはなく、普通に馬券を購入していた記録がうじゃうじゃ出てきたので吐きそうになりました。それなのに回収率0%て。一回も当たってないってことやんけ…。
もう二度とこんな旅はやらねえ。誰も真似しない方がいいよ。