インターネットのけもの

全て妄想です。

歯磨き粉の代わりはいない

最近ヒゲを剃ろうと思ったらシェービングジェルが切れていることに気が付きました。まあ僕は焦らないことで有名な男ですので、淀みない手付きで替えのジェルを取り出そうとしたのですが、なんというか割と普通に替えのジェルがなかったので唖然とするしかありませんでした。そんな馬鹿な…、常に準備を怠らない僕が替えのジェルを用意していないだなんて…。

ですがよく考えてみると僕は実家ぐらしの特権をフル活用して、未だに親に身の回りの品を買ってきてもらっていたので、自分でジェルなんぞ用意しているはずはないのでした。自分で書いていて割と情けなくなってくるのですが、それが便利なんですからどうしようもありません。

まあないものはないので、嘆いたところでジェルが出てくるわけでもなく、まさか今から親に買いに行かせるなどという強気のニートみないな真似をするわけにもいきませんから、あるものでなんとかするしかないのですが、あるものと言っても石鹸とシャンプーくらいなものです。石鹸で試してみようかと思ったのですが、泡立ちがいまいちで向いていないことは容易に想像がつきました。

そこで目についたのが洗顔剤。これならジェルと感触が似ていますし、そもそも顔に塗って使うものですからなんだか向いていそうです。さっそく洗顔剤を手に出し、いつもより泡立ちをよくさせてからヒゲの周りを重点的に塗り込んでみました。

実際に剃ってみて驚いたのですが、思ってた以上にスムーズに剃れます。普段使っているジェルよりも剃りやすいような気すらしてきます。というか、僕のヒゲは恐ろしいくらいに強いようで、専用のジェルを使って慎重に剃っても顎周りがしょっちゅう血まみれになってしまうのですが、洗顔剤で剃っているときは明らかに血が出にくくなっています。さすがに深く剃ってみると皮膚がガンガンに傷ついてしまうのですが、それでも普段よりは遥かにマシってなもんです。書いてて思ったんですが、そもそも剃り方が悪いんじゃなかろうか…。

剃っていくうちにシェービングジェルというものの存在意義がだんだんわからなくなってきたのですが、ヒゲが綺麗になっていくのが気持ちよすぎてどうでも良くなりました。あの電動シェーバーを使っても血まみれになってしまい、あまつさえ剃り残しがあったあのヒゲがどんどん綺麗に剃れていくのです。

 

そんな調子でアゴ周りが久しぶりにツルツルになるまで剃れたのですが、そのまま歯を磨こうとしたところ、次は歯磨き粉が切れていることに気が付きました。無いものだらけで、そういうのは普段からちゃんと管理しとけよ…って感じなわけですが、こちらもストックすら無いというのですから驚くほかありません。

流石に歯磨き粉の代用になりそうなものは無さそうだなと思ったのですが、正直泡が立ちさえすれば歯くらい綺麗になりそうなのでなんでもいいか、とか考えたのですが、そういえば以前同じ状況に置かれたことを思い出しました。

旅行先で銭湯に行った僕はついでに歯も磨いておこうと考えたのですが、シャワーを浴び始めてから歯磨き粉を忘れてしまったことに気が付きました。そのときも、泡が立ちさえすれば全部一緒だろ、とか考えてシャンプーを歯磨き粉代わりに歯を磨いたわけですが、シャンプーのあまりの不味さに吐きそうになってしまったのでした。僕たちの髪を綺麗にしてくれるシャンプーがあんなに不味いものだとは想像もしていなかったのですが、速攻で口をゆすいだにもかかわらず、一時間近く苦々しい味が続いたというのですから大変な不味さでした。誤って飲み込んだりした日には嘔吐が止まらなくなることでしょう。

心が痛ましくなるこのエピソードを思い出したため、僕は今日は歯磨き粉なしで済ませておこうとしたのですが、歯を磨き始めてからある考えが頭をよぎりました。前に歯磨きにつかったシャンプーは銭湯に備え付けてあるような業務用のものだったから変な味がしただけで、市販のシャンプーだとそこまで不味いものではないのでは?というか、家で使っているシャンプーのほうが圧倒的にいい匂いがするわけだから、やはり味も良くなっているのではないか?というものでした。

一度疑問を抱いてしまったからには試さずにはいられません。きっと今回は違うはず…、そう信じて僕はシャンプーを歯ブラシにべったりと出したのでした。

 

まあ大体お察しの通りといいますか、歯ブラシを口に入れた途端、強烈な嘔吐感に苛まれたものですから、僕は自分の学習能力の無さを呪うことしか出来ませんでした。

しかも家のシャンプーはなんかスースーする成分が入っていたためか、口をゆすいでも一時間くらいは息をするたびに奇妙な清涼感を味わうハメになってしまったのでした。いい匂いとかそんなものは全くもって関係なく、シャンプーはただただ不味いものでした。

歯磨き粉だのシャンプーだのはやっぱり適切な使いみちをしないといけないんですね。真似しないほうがいいですよ。