インターネットのけもの

全て妄想です。

異世界との向き合い方

使い終わったエロ本は近くの中学校に寄付しに行くほど温厚篤実で知られる僕ではありますが、そんな僕にも許せないものがあるのでした。

 

僕は未だに中学生の頃の気持ちを忘れられないので、ライトノベルなんかをガンガン読んでいるのですが、そんな僕の大好きなライトノベルの世界では「異世界転生」なるものが流行っているらしいのです。流行っているらしいと言うか、最近では書店に行けば、「異世界」だの「転生」だのといった文字が踊り狂った漫画やラノベが平積みされてますし、深夜アニメをいくつかチェックするとそこにもこれらのワードを確認することが出来ます。これはもう流行っていると言って過言ではないでしょう。

一説によると、こういった作品を楽しんでいるのは中高生だけでなく、現代社会に疲れ果てた大人達が主な読者層になっているというのですから驚くばかりです。ままならない自分を主人公たちに重ね合わせ、つかの間の安らぎを得ているのでしょうか。ハッキリと言わせてもらいますけどね、こんなのは異常ですよ、異常。

いい目にあってるのは主人公たちであって、あなた達じゃないんですよ。不思議な能力に目覚めるのも、女の子たちから言い寄られるのも、周囲からチヤホヤされるのも皆、主人公たちなんですよ。しかもこれはお話ですから、限りなく主人公たちに都合のいいように話が展開されていくわけです。そんなものに自分を重ねて悲しくなったりはしないんですか。物語をそんなふうに使っていいんですか。

よくあるのがあれですよ、なぜか現代社会の知識をもったまま、文化レベルが中世並の異世界に転生した主人公が、その知識をもってして(全然たいしたことないやつ)、周りを驚かせながら成り上がっていく。これはもう、努力はしたくないけどチヤホヤはされたいという欲望が溢れすぎていて本当に酷い。あとは、転生時になぜか特殊能力に目覚めているやつね、これもまあ同様の理由で酷い。なんでこんなものが流行っているのか理解しがたい。ほんとあなた達オタク連中は一体どうなってるんですか。マイナーを愛し、メジャーを貶し、自分の好きなものだけを信じていたあなた達は何処へ行ったんですか。こんな単純な流れに流されていいんですか。挟持はなくしてしまったんですか。

 

とか調子よく書いていたんですが、今PCの横に積んである本を眺めていたら「数字で救う! 弱小国家」とかいう、紛れもなく異世界にいってしまう系のラノベがあったので驚くことしかできませんでした。でもまあなんていうか!?これは数学の力で国難を解決していくっていう物語だし、その数学の力も主人公が努力の末に手に入れたものだから、まあセーフっていうか!異世界だからといって手放しにチヤホヤされるわけでもなく、成果を示して初めて異世界では認知されていない数学というツールを周囲に認めさせていくプロセスなんかは現代社会にも通じるところがありますしね!てか数学とかってまじで万物の根源だし、妙な超能力よりも遥かに説得力があると思うので!

ですが、話を読み進めていくと美しいというパラメータに加え、王女だとか元王女だとかいった最強としかおもえないパラメータを兼ね備えた女性たちと楽しげにやり取りをしている主人公の姿がこれでもかと描かれていたため、僕は唖然とすることしか出来ませんでした。あいつら絶対セックスしまくってると思う。あと、こういう文章は「めちゃくちゃ早口で言ってそう」とかいう低俗な評価を下されそうだな、そもそも自分で読んでいてなかなか気持ち悪いのではないかと気がついてしまったので二重に唖然としてしまいました。

まあでも、話は結構まとまっていて読み進めやすいし、肝である数学パートも理解しやすいように図や簡単な数式を交えながら説明されているので、難しいところがあって挫折するということはありません。さすがは電撃文庫といったところでしょうか、ライトノベルの枠はそのままに、新たな要素を探りながらも面白さを保っているというのはなかなか凄いことじゃないかなあと。

 

異世界ものってのも中々悪くないのかもしれない。