インターネットのけもの

全て妄想です。

理想郷の目指し方

サラリーマンという現代資本主義社会の奴隷階級に身を落としてからそろそろ一年になろうかという今日このごろ。以前は学生という身分を装い、朝陽とともに眠りにつき、夕陽とともに目覚めるという、貴族階級 -それよりは穀潰しと言った方が適切でしょうか- の生活を送っていたはずの僕も、今ではすっかり定刻に目が覚めてしまう自由を失った身体へと変化してしまいました。ちなみに、この中途半端な時期にそろそろ一年と言ったのは、僕が入社した会社は妙に研修期間が長く、去年のこの頃までは学生生活の延長のようなもので、集団で座学を受けていたからです。研修中だったとはいえそれもサラリーマンとしての業務なのでは?という疑問もあるかもしれませんが、ぶっちゃけこの研修期間中は、毎日どこからともなく現れた睡魔に襲われまくっていたため、当然のように眠りこけていました。流石に好き勝手眠りまくっていた時間を「働いていました!」と言えるほど図々しくはないので(研修で何かを学んだ記憶が一切ありません!)、真夏のこの時期にそろそろ一年という表現を使った次第です。こういう謙虚なところは自分でも褒めてあげたいと思います。

 

一年も経つと何か変わっただろうと今の自分を振り返ってみたのですが、もちろん何も変わっていなかったので、もはや呆れるほかありません。強いて言うならば今の職場にも慣れてきたおかげか、業務中にときおり居眠りをこくようになったことでしょうか。あまりにも堂々と居眠りをこいているせいで「何かそういう病気を持ってたりするのか・・・?」と上司に疑われてしまったほどですから、我ながら大胆な居眠りをしているものです。というか、怒るでもなくまず病気を疑うあたりに、上司の寛容さ、あるいは僕が普段どんな目で見られているのか、が気になるところではありますが、この辺りを心配してももうどうしようもありません。

 

このお小言があったあとも相も変わらず居眠りを続けてしまっているので、もう本当にどうしようもありません。いっそ「ナルコプレシー(居眠り病)なんです」と嘘八百を繰り広げてやっても良かったのですが(そしたら居眠りを攻めるほうが悪になるから)、生まれ持った高潔さゆえか、そんな嘘をつくことをこの血が許しませんでした。最近ではもうお小言は飛んできませんが、代わりに僕を見る目がだんだんと人以下の何かを見る目に変わってきたような気がします。ですが、そんな僕でもありがたいことに、給料という形で毎月お金がもらえてしまうのです。

 

これはよくよく考えてみるとすごいことです。社会に住まう多くの人が理想とするところは、寝ていてもお金が入ってくることだという噂があります。以前、実際にアンケートを取ってみたことがあるのですが、そのときはなんと4人中4人(100%)が「寝ていてもお金が入ってくることが好ましい」と回答したのです。この結果に対し、統計学の教科書を見たことがあるこの僕が論理的に解析してみたところ、この結果は社会全体であっても同じことが言えると判明したのです。驚くべきことに噂はほんとうだったのです。

 

現在のところ僕は平均して一日あたり30分弱は居眠りをしていまして(気付いたらそれくらい時間が進んでてビックリします!)、これは勤務時間の約7%に相当しています。つまり、給料の7%は「寝ていても」入ってくることになります。トイレでサボっている時間なんかも加えてしまいますと10%と言ってもいいかもしれません。この比率をこそこそと上げていき、いずれ100%になることを目指す、そこはまさしくユートピア、トマス・モアもこんな場所に理想郷が潜んでいたとは夢にも思わないことでしょう。寝ているだけで生活が行えるとは、こちらの方がより理想的ですらあります。

 

これからサラリーマンとして2年生になっていくわけですが、この目標を胸に日々を過ごしていこうと思います。当面は「どうすれば長時間離席していても自然に振る舞えるか」を解決することに心血を注いでいこうと思います。まあ、こんな馬鹿なことばかり考えて夜更かししているから日中眠くなるんですけどね。こればっかりは死ぬまで変われそうにない。