この旅行記は当時撮っていた写真とソ・ラ・ノ・ヲ・ト各話を見直しながら書いているのですが、写真をみているとまた行きたくなるものですね。そして改めて、自分はソ・ラ・ノ・ヲ・トという作品が好きなのだなあと実感できました。年に1回以上は通しで見ているので順調に行けば死ぬまでに100周くらいはできそうです。2020年のソラヲフも参加したいものですね。
2016年9月18日(日)
家だとアラームを掛けていても昼まで寝てしまうこともあるのに、旅行中はアラームなんてなくてもスッキリ朝早くに目が覚めますよね。旅行のすきなところの一つです。気持ちのいい朝なので昨夜登ったばかりですが、今日という日を屋上から始めるのも悪くないでしょう。
昨日は暗かったのでわかりにくかったですが、屋上の様子はこの様になっています。
周囲の散歩をするのもいいでしょうが、やはりここは宿泊者の特権をフル活用させていただきましょう。他にも宿泊者はいるはずですが、幸いというかなんというか屋上にいる間も他の方が来ることはありませんでした。少しくらい他の宿泊者と交流してみたかったのですが。まあ交流と言っても言葉がわからないので会釈程度しかできないんですけどね。
朝焼けの空が眩しい。
街の入口側に目を向けると、朝焼けの空がいい具合に輝いておりました。もう日は昇っているのでしょうが、未だ雲に覆われているおかげで夜明け感がありますね。暗かった世界が日に照らされてくると、4話を思い出してしまったのですが、残念ながら僕は相変わらず、ただぶらぶらしているだけで、カナタのように突然トランペットがうまくなるといった素敵なことは起こりませんでした。まあ美しい景色が見られただけで充分です。
あまりの美しさに思わずパノラマ撮影をしてしまいました。
周囲に高い建物がない、というかそもそも建物がほとんど無いため、城壁や見張り台が映えて見えます。歴史的に価値があるのかどうかは無学な僕にはわかりませんが、新しく手を入れることをせず、そのままにしておくことの美しさを知ることができたような気がしました。周囲に柵なんかが立てられていたら魅力半減どころではないでしょうからね。
朝食のメニュー。かろうじて読めるものばかり注文しました。
一通り景色を満喫してからは、いい時間になっていたので食堂へ向かいます。アラルコンのパラドールはクエンカのものと異なり、メニューから好きなものを満足するまで注文出来るスタイルのようです。宿泊客も限られていますし、このほうが効率的なんでしょうね。
パンはどこで食っても美味いですね。こんな場所で食べると尚更です。
せっかくのスペインなのでチュロスと、いくつかパンを食したのですが、丁寧に盛り付けられて給仕されるものですから、場所も相まってまるで自分が貴族にでもなったのではないかと錯覚してしまいました。窓から見える景色は穏やかで(貯水池側が見えないのが残念ですが)、普段は急いで朝食を詰め込み出かける僕も、本当の余裕とは何なのか、理解することができました。
カフェスペース。この奥が食堂になっています。
食事を済ませてから部屋に戻ろうかと思ったのですが、カフェスペースに誰もおらず、とても静かな時間が流れていたため、ここで休んでいくことにしました。嘘です。本当は、ちょうど僕が食事を終える頃、一組の家族が食堂に来たのですが、二人いた娘さんが超絶に可愛らしかったため、僕は部屋で休んでいるよりは、ここに留まっておくことで、ふとしたきっかけから仲良くなれるのではと大変邪な思いを胸に休んでいました。静かな時間とかどうでもよかった。
カフェスペースの隅にあった暖炉。本当に使うときもあるのでしょうか。
カフェスペースでキョロキョロしながら待っていたのですが、5分ほど経った頃、「知らない人に話しかける度胸など無い、というかそもそも言葉が通じない」という根本的な問題に気づいたため、とっとと部屋に帰りました。というか、父親もいたのに僕はどうするつもりだったのでしょうか。いいとこ、ボコボコにされてフカル川に流されてしまうがオチでしょう。旅の魔力とは恐ろしいものです。
駐車場の車は昨日より増えていたような気がします。あと路駐も多かった。
一休みしてからは散歩にでかけました。散歩と言っても目的地は決めてあるのですが。パラドールを出てからすぐの駐車場には多くの車が止まっておりました。全部が観光客のものなら大したものだと思うのですが、地元民も駐車場として使っていたりするのでしょうか。そういえば、クエンカでは何人か日本人を見かけましたが、アラルコンでは一人たりとも見かけませんでした。クエンカの空気が好きならこっちも合うと思いますが、やはり交通路がネックなのでしょうか。
街の広場のような場所。最初左手の建物が駅にみえて驚いた。
しばらく歩いていると広場のような場所に出ました。これだけ広い場所でしたが、車が止まっているだけでほとんど人はおらず、隅の方で話している二人組や、観光客らしい家族連れがいる程度でした。右手の建物が教会らしいのでそこを見に来たのでしょうか。僕も寄っていこうとしましたが、扉は固く閉ざされており、そもそも入っていいのかも分からなかったため、断念しました。
教会の横にはEDにも出ていたあの場所が。
そのまま教会の横を通り抜けていこうとしたとき、ここがEDに登場していた場所だと気が付きました。いつの間にかスロープが出来ているために少し雰囲気が変わっていますが、カナタが跳ねていたあの場所で間違いないでしょう。そのうちセーズの街にもバリアフリーの波が押し寄せるのかもしれません。
絶好の散歩日和です。車通りもほとんどありません。
目的地は街の外にあります。初日にタクシーで通ってきた道を逆に辿るように進んでいきます。駐車場や路上に多くの車が止まっていましたが、その割にはほとんど車通りはありませんでした。やはり、止まっている車の多くは地域住民のものなのでしょうか。鉄道どころかバスも来ないのでは、完全なる車社会でしょうしね。
街に入ったり出たりするためには城壁の門を何度かくぐる必要がある。
アラルコンという街の中と外を行き来するためには、必然的に城壁の存在を意識させられます。古くからある城壁と新しく出来たアスファルトの道路が混ざりあってアラルコンへと通じる道を作り上げています。街へ入るためには城壁の門をくぐる必要があり、その逆も同じです。古くからのものを自然に受け入れる、良い街づくりだと思います。
アラルコン南側の風景。フカル川で隔てられた色の対比が良い。
アラルコンは要塞都市と言われているだけあって、ついつい城壁に目がいってしまいますが、周囲の地形もまた着目するべきところが多くあります。街を囲むように流れているフカル川は美しさを保ちながらも、敵を寄せ付けないためには絶好の形状をしており、街を攻め込むのはさぞ困難だっただろうと簡単に想像できます。
こちらの門は塔?が備え付けられておりました。
しばらく進んでいくとまた新たな門が見えてきました。街に入るためには2番めに通る必要がある門ですね。こちらの門にはちいさな塔?のようなものが合わせて建てられており、中に入れるようになっていたのですが、昨日見た見張り台と同じく上にあがる手段がなく、外壁のみに囲まれた吹き抜けになっておりました。役割を考えると、ここも見張りか何かに使っていたと思うのですが、危険だから上に上がれなくしたのでしょうか、自然に崩落したにしてはやけに綺麗なのが気になりました。
街の外からパラドールに向かっての一枚。RPGで街に入る前みたい。
このあたりで後ろから何人かがやってきました。よく見ると朝食のときにみた家族連れでした。これは運命的な出会いか!と一瞬身構えましたが、現実には何も起きず、家族仲良く談笑しながら僕の横を通り抜けていきました。まあこれだけ天気がいいと散歩したくなりますよね。普段は一人旅であっても寂しさなぞ感じない僕ですが、このときばかりは何かもの悲しさを感じました。まあそれだけ幸せそうだとこっちなんて見向きもしませんよね。
この門が一番THE・城壁という感じがしますね。横に長く広がってますし。
気にしても仕方ないので先へと進みます。どうやら目的地が同じようなので一緒に行く感じになってしまいましたが、特に何も起こるはずもありませんでした。現実なんてそんなもんですよね。そうこうしているうちに最後の門が見えてきました。街に入るためには最初に通る門ですね。目的地もすぐ近くです。
この城壁を沿っていった場所に目的とする場所があります。
門をくぐるときにはもう、目的地が大きく見えていました。この城壁に沿って歩いていくともう目的地です。ふと思ったのですが、昔はこの門にも扉がついていたり、門番がいたりしたのでしょうか。こういう場所を歩いていて何が楽しいかっていうのは、こうやって古い時代に思いを馳せるときですね。人が少なく、静かに過ごせるのも妄想を加速させてくれます。
この門を通ってアラルコンの街に入っていくことになります。
目的地に向かうためには、このまま道路を進んでいっても良かったのですが、この城壁沿いに坂を上がっていったほうが早いため、そちらを選択しました。城壁を間近で眺めながら歩いているとテンションも上がります。
ある意味で13話を象徴する場所ですね。この塔にも登ってみたいものです。
まあ皆さん分かっていたかと思いますが、目的地と言っていたのは、 13話でカナタがリオを見つけたこの場所でした。近くまで来ると塔が思っていたよりも大きく、圧倒されます。これも見張りや監視のために建てられたのでしょうか。いつかは登ってみたいものです。時計塔といい、ソ・ラ・ノ・ヲ・トの舞台になっている場所は高いところが目立ちますね。
塔の周りには作中でみた景色がたくさん広がっていました。
続く