インターネットのけもの

全て妄想です。

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト舞台探訪記 「初陣・椅子ノ話」

クエンカ・マヨール広場についたところからの続きです。

 

2016年9月15日(木)

 

 マヨール広場に到着してからは、ホテルへ向かう前に街の散策にはいります。広場についてからは、「すげええ!作品のまんまだ!」とテンションが上っていた僕ですが、散策を始めたことで、それは際限なく上がることになってしまうのでした。なんならちょっと息も荒くなってたような気がするほどです。

 

歩いてみて気がついたのですが、地図上ではそれなりの広さに見えた旧市街も、歩いてみればそんなに大きいわけではなく、初めての人でも1時間かそこいらでざっと見てまわれるほどの広さでした。ただ、細かい路地が多く、入り組んだ箇所も多いため、じっくり見るとなればかなりの時間を要することでしょう。

 

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細い路地が入り組んでいるところが多く、ぐるっとまわった後に、「こことここが繋がっていたのか!」と驚かされることも多かったです。

 

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EDに出て来るあの場所。残念ながら車が停まっていたので、後日撮り直しました。

 

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突然現れた謎の目。あんな場所に書きに行くなんて相当の気合を感じる。

 

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気のせいかもしれないけど、よく猫を見かけた。1話にも猫出てたし制作スタッフもそう感じたのかもしれない。

 

そんな大きくない街にモデルとなった場所が密集しているのですから、それはもう、たまったものではありません。僕が、少し歩いては「ここは何話で出てきたとこ!」「ここもなんか見た気がする・・・、ホテル戻ったら確認してみよう!」とぶつぶつ独り言を垂れ流すようになってしまったのも仕方のないことでしょう。

 

ぶらぶらしているうちにいい時間になってきたのでホテルへと向かいます。スペインは緯度が高いため、僕が訪れた9月では夜の8時くらいであっても、日が沈みきっておらず、日本の夕方程度の明るさに驚いた記憶があります。この時点では17時といったところでしたが、昼間と大して変わらない明るさでした。

その分朝も遅いため、毎日寝坊に怯える僕にはとても暮らしやすい国なのでは、とも思いましたが、仮にスペインで暮らしたところで、そこでも結局寝坊するんだろうなあとしか思えなかったので、自分のダメさ加減に呆れることしか出来ませんでした。

 

この旅のメインといっても過言ではないホテルは、もちろんクエンカのパラドールを予約していきました。パラドールとは、スペインの古城などを改築してつくられたホテルのことで、正直いって僕のような小汚い奴が泊まっていいようなところではない格式高いホテルなのですが、ここクエンカのパラドールは、作中では第1121小隊駐屯地・通称「時告げ砦」として登場したおなじみの建物のモデルとなった場所ですので、これはもう泊まるしかないだろうと、みすぼらしい格好を気にしながらも予約しておいたのです。

ちなみに予約はパラドールの公式サイトから行いました。旅行サイトからの予約も可能でしたが、公式サイトから予約したほうがなんか格好いいなと思ったからです。おかげで、翻訳サイトを使いまくるハメになりました。誰に見栄を張るわけでもなく、自分に見栄を張るこういうところは自分でも褒めてあげたいところですね。

 

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クエンカのパラドール。元は修道院らしい。崖の上に建てられていてめちゃくちゃカッコいい。

 

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パラドールへ向かう橋。お洒落過ぎる。

 

パラドールは街から少し離れた崖の上に建てられており、行くためには橋を渡っていかねばなりません。作中でも印象的な、隊のみんなやクラウスがよく通っていたあの赤い橋です。街に出るにはこの橋を通ることになるのですが、僕はここを通るたび興奮することしきりで、毎回わけも分からずドキドキしていました。別に高所恐怖症だとかそんな話ではないです。

 

 ドキドキしながらも橋を渡ります。放送開始から6年半。ずっと「いずれは・・・」と思っていた場所に来たのだという実感が僕を襲います。周りに誰もファンがおらず語り合うことも出来ない、それでも見続けた思いが今、ここに立つことでわずかでも成就されるのかもしれない。未放送13話のラストシーン、「いこう、夢のその先に。たとえ、いつか世界が終わるのだとしても。その瞬間までは、私達の未来だ。」この橋を駆けながら発せられた台詞が頭に浮かびます。

そしてついに橋を渡りきり、

 

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長年の思いがここに。

 

とうとう来たんだな、と改めて実感します。絶対に一度は見に行きたい、行かねばならないとまで思っていた場所に来て、好きな作品の空気に触れる。嬉しさがこみ上げてきます。でも、これで終わりではありません。まだまだ来たばかりです。見るものも見たいものもたくさんあります。ここに来て新しくやりたいことだって出来ました。何と素敵なことでしょう。旅はまだ続きます。

 

とまあ、ここで終わってもいいような文章になってしまいましたが、まだ宿についてすらいませんからね。橋を渡ってからは直ぐなので、このまま宿へと向かいましょう。

 

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パラドールの前。車の停め方が割りと雑だった。

 

パラドールへ到着です。

事前に予約していたため、そのときに発行された予約書みたいなものを印刷していったのですが、それを見せるとあっさりでした。ちょっとここは記憶が曖昧なのですが、僕は「Halh board(一泊二食付き)」で予約していたため、食事の時間を聞かれたような気がします。ここは英語が通じるので、数字が言えればなんとかなります。最悪、指で示してもいけそうです。

部屋まではホテルマンが先導してくれます。言葉の通じない、みすぼらしい格好をした僕にも優しく微笑みかけてくれるあたりにレベルの高さを感じます。ただ、案内されてる間も、バンバン作中で出てきたところが目についたのですが、ホテルマンがいるために何でもありませんよという顔をしなければならなかったのが辛かったです。もっと全身で喜びを表現したかった。あと、先導されることでちょっとでも偉くなったかのように錯覚してしまう自分が情けなかったです。

 

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部屋の扉。どっかのインタビューでも見たように扉の真ん中に取っ手がついている。立て付けがめちゃくちゃ悪くて開閉するのにコツがいった。歴史の重みかな。

 

部屋はめちゃくちゃに広く、ベッドなんてどうやって寝ても余るとしか思えない大きさだったので、やはり自分は偉くなったのでは?と思わず勘違いしてしまいそうになりましたが、よく考えたらツインでとっていたのでこの広さも当然のことでした。というか何故ツインでとっていたのでしょう。当時の僕がなにを考えていたのか全く思い出せませんでした。

 

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でかいベッドでテンション上がった。奥の椅子は荷物置きにしかなりませんでした。

 

荷物を置いてから、すぐに街歩きを再開する予定でしたが、パラドール内から予想以上に時告げ砦の臭いを感じ取ってしまった僕は、抑えきれず、パラドール内の散策を開始しました。そもそも、ここまで来て内部を見ずに外へ出るなんて考えていたのが間違いだったのです。

 

部屋の中には特に見るべきところはありませんでしたが、さすがは高級ホテルに属しているだけはあります。汚れているところは見当たりませんし、浴槽だって大きい、トイレも綺麗です。前日まで安宿にしか泊まっていなかったこともあり、かなり驚かされました。ですが、よく考えるとそこそこの金額を払っていたのでこれはこれで当たり前だったのかもしれませんね。

 

部屋を出て一階へ向かいます。クエンカのパラドールは中庭をぐるりと囲むような構造になっており、中庭に面して大きな窓がついているため、日中は建物内もかなり明るいです。一階に出るとさっそく作中で何度もみた景色が迎えてくれます。

 

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この床の模様を見ているだけで大興奮。

 

中庭には普通に出られますので、この廊下を通ってそのまま中庭に出ます。ここも見ているだけで自分が作品の中に入ったかのような気分が味わえますね。

 

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宿泊者の方が談笑中でした。めっちゃ楽しそう。

 

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散策中に見つけた窓。作品内でもこういった形状の窓が度々登場しましたね。

 

夕食までは時間があったので再び外へ。入るときにもしや?と思っていたのですが、入口横の階段はこれ、開かずの扉があったところですね。

 

f:id:kiddomaru3:20171120060708j:plain7.5話の惨状のきっかけとなった場所。扉はなかった。

 

橋を渡って旧市街に戻ります。実は橋の近くには「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」を象徴するもう一つの場所があります。まあパラドールに向かうまでにも目には入っていたのですが、橋を渡るのを待ちきれなくて一旦スルーしてしまっていたのです。それがここ、宙吊りの家です。作中ではナオミさんの家として登場していましたね。2016年現在は美術館として中に入れるようになっていました。

 

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宙吊りの家。この高さから落ちそうになってるんだからリオも叱りますわな。

 

宿に着く前にまわりきれなかったところを中心に、旧市街を散策します。初めて来た場所なのに、何故か見たことがあるような気がする景色が多く広がっています。「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」を何度も見ているうちに、自然と作中のワンシーンを構築できるようになっていたのでしょうか。歩いているだけで作品内のワンシーンが浮かんできます。改めて、「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」は丁寧に作られているのだなあと感じました。

 

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マヨール広場横にあるこちらの案内所ではクエンカの地図がもらえます。日本語のガイド冊子もあります。

 

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ヘルベチアの十二代大公アキラ・アルカディア二世をモデルにした水飲み場。本当はなにがモデルになっているのかは分からない。

 

街を歩いているとこういった小物にも目がいきます。ただの散策でも飽きさせない街ですね。「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」を見た方はより楽しめることでしょう。散策中はサントラをずっと聞いていたのですがそれが一層、「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」の世界に没入させてくれました。めっちゃいいよ、サントラ聞きながらの舞台探訪。

 

夕食の時間が近づいてきたので、宿へ。スペイン語はビタイチ分からないし、英語もほぼ分からないのでどんなメニューなのか、そもそも食堂に行ってからどうしたらいいのか、全くわかりませんが、いけばなんとかなるでしょう。

 

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夕食は20:30~23:00。少し早く到着したのでまだやってませんでしたが、外はまだ明るかった。

 

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待っているうちに暗くなってきました。すごく落ち着いていて良い時間。

 

そうやって待っているうちに夕食の時間がやってまいりました。それにしても、この待ち時間は最高だった。僕は待つという行為はあまり好きではないのですが、この待ち時間はお金を払ってでももう一度味わいたい程素晴らしいものでした。好きな作品の舞台で過ごす時間ってめちゃくちゃ輝いているんだね。

 

食堂にはまだ2、3組しか来ておらず、僕が一番乗りでした。

 

続く