インターネットのけもの

全て妄想です。

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト舞台探訪記 「響ク音・払暁ノ街」

というわけで、旅行記のようなものを書いていきます。

どこから書き始めようか迷ったのですが、クエンカに向かった日の朝はバルセロナにいましたので、そこから書き始めることにします。スペインに向かうとなったら、飛行機でバルセロナマドリードに到着するのが一般的かと思いますので、まあ妥当と言えるところなんではないでしょうか。

ちなみに僕はクエンカに向かう前日に、フランスからRYANAIRを利用し、パリ・ボーヴェ空港からバルセロナに向かったのですが、なにをトチ狂ったのか、酒(カルヴァドス)を買い込んだ状態で飛行機に乗り込もうとしたため、手荷物検査で全部没収されるという憂き目にあいました。仕方なく免税店で買い直しましたが、要らぬ出費を強いられるハメになりました。

 

 

2016年9月15日(木)

 

というわけで、バルセロナからスタートといきましょう。

バルセロナからクエンカに行くにはいくつか方法があるらしいのですが、僕は列車で向かいました。バルセロナ・サンツ駅から海沿いにバレンシアまで向かい、そこで高速鉄道AVEに乗り換えてクエンカへとたどり着くルートです。

 

サンツへは、泊まっていた宿から地下鉄で20分弱といったところだったため、優雅に朝食を済ませてから向かっても9時前には余裕で着いてしまいました。

駅では券売機を探したのですが(ネットで調べてきたので買い方はなんとか分かる)、券売機よりも先に窓口を見つけたため、そちらで購入することに。スペイン語はビタイチわかりませんが、こういうのは地名さえ伝えればなんとかなるってもんです。

完全に舐め腐った調子で係員に、「バレンシア、クエンカ・・・」と話しかけてみると、なんと地図を取り出してルートを指でなぞってくれてる!しかもバレンシアの辺りで「アヴェ」とか言ってるし!完璧にこれじゃん!?

 

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とまあ、余裕で目的のチケットを購入できました。しかも、時間のとこに線引いてくれてるし。世の中って思っていたより、優しく出来ているんですね。

じゃあホームに向かいますかと、チケットをよくみてみるとそこには「Salida : BCN-SANTS 11:00」の文字が。スペイン語はわからないけど、これはわかります。絶対「バルセロナ・サンツ駅を11:00に出発しますよ」って書いてある。

現在時刻はようやく9時になったというところ。あと2時間もどうしようかと思っていましたが、駅の周りをブラブラしていると一瞬で時間が過ぎ去っていきました。いやー、知らない街を見るっていうのもいいもんですね。正直、最後の方とか時間足りなかったし。

 

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 サンツからバレンシアまでは一本で行けますので、海沿いの街を眺めながらひたすら列車に揺られます。

僕は滅茶苦茶気が早いので、この時点でサントラを取り出し、一話のカナタの気分を味わっていたのを覚えています。ルートや景色的にも絶対に関係ないといえるのですが、ただ列車に乗っているというだけでテンションが上がりまくってしまっていたのでした。

バレンシアに近づくと、車掌さんらしき人が車内をまわりはじめました。どうやら検札のようです。何故このタイミングで・・・?とは思いましたが、素直に切符を見せるしかありません。

 切符を見せると、車掌さんが早口で何か言ってきます。勿論内容なんて分かるはずないので適当に頷いておりますと、何故か前の方の座席からイカツイ風貌の兄ちゃんが参上です。まさかの新たな登場人物(どうみてもたまたま乗り合わせた乗客)に戸惑いを隠せなかったのですが、どうやら駅についてからはこの兄ちゃんについていけと言っているようです。

おそらくはバレンシアでの乗り換えがわからないだろうとの配慮だと思うのですが、まさかここまで配慮してくれるとは思いもしませんでした。ありがとう、Renfe(スペイン国鉄)、お前のことが一気に好きになったよ。そんなやり取りをしていると、さらにもう二人、新たなおっちゃんが「俺も連れて行ってやるぜ」とばかりに参戦してくれました。何と頼もしいことでしょう。電車を乗り換えるだけなのに、ちょっとしたパーティの完成です。

 

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頼もしすぎるパーティと共にバレンシアに到着です。言葉は通じませんが、きっと心は通じ合っています。導かれるままに進んでいき、そのまま改札の方へ。兄ちゃんが何やら駅員に話しかけ、そのまま駅の外へ出ていき、まさかのバス乗り場へ。どうやら、バレンシアからは高速鉄道に乗るために違う駅舎へ移動する必要があるようです。なにそれ、こんなん初見じゃ絶対無理だったわ。パーティ組んでてよかった。

バスはものの1分ほどで到着し、そこからさらにホームまで案内してもらいます。ここで気付いたのですが、途中で加入してくれたおっちゃん二人のうち、一人はどこかに消えていました。短い期間だったけどありがとうな。

これだけスムーズに案内してもらっても、時間が結構ギリギリだったので、一人だと絶対に乗り遅れていた自信があります。そして、乗り遅れたチケットをどう扱えばいいか途方に暮れるというデスコンボを見舞われていたことでしょう。

 

ホームでパーティメンバーに「グラシアス!(ありがとう!)」を連呼しながら別れを告げ、とうとうクエンカにむかうための高速鉄道AVEに乗り込みます。AVEはスペインの各都市を結ぶ高速鉄道で、最高時速300km/hで走るという新幹線みたいなものです。作中1話でカナタが乗っていた列車とは比べようもないほどの速さですね。

乗っている間は、1話をみながら似たような景色がないものかと探してみましたが、なかなかそう簡単には見つからないもんですね。途中、1話OPで出てくるような農地?に似た光景を目の当たりにし、「ここは絶対OPのモチーフになった場所!そうと決めたらそう!」と決めつけ、OP見ては悦に浸るという、なんとも贅沢な遊び方をして過ごしておりました。

 

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そんな調子で、ゆられること約50分。とうとうクエンカに到着です。

クエンカという駅は2つありますが、互いに違う名前をつけるべきなんじゃないかと思うくらいに、市街地にある駅とそうでない駅が離れており、それらを結ぶ路線も存在しません。どれだけ離れているか分かりやすく言うと、大阪駅新大阪駅くらいは離れています。そんなに分かりやすくなった気がしなくもないですが、とにかく離れているのです。

AVEで到着する方のクエンカ駅は、市街からは離れたところにあり、駅の周りも栄えていません。栄えていないというか、駅舎以外の建物が周りに存在せず、街まではひたすら荒れ果てた土地が続くだけという有様です。

 

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駅に到着してこの景色を見るまでは、「市街地まで歩いて1時間程度なら、景色を眺めながら散歩してたらちょうどいいよなー」なんて考えていましたが、一転して予定変更です。とっととバスに乗って市街地まで向かいましょう。

 

幸運にもタイミングよく、クエンカ旧市街の中心マヨール広場まで向かうバスが待っていましたので、これに飛び乗ります。

クエンカは大きく、旧市街と新市街に分けることが出来、ソ・ラ・ノ・ヲ・トの舞台として扱われているのは旧市街になります。特に、マヨール広場は街の中心地というだけでなく、作中でも水掛け祭りが行われていた場所ですので、始めに訪れる場所としてはふさわしいでしょう。バスが通るルートは、カナタが街歩きしているときに通った場所も含まれているので、バスの中でも退屈することはないと思います。

 

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30分ほどでマヨール広場に到着します。

道中、バスの窓から見た景色はソ・ラ・ノ・ヲ・トそのままで、否応なしにテンションが上がっています。ここから舞台探訪が始まります。

 

続く