インターネットのけもの

全て妄想です。

散髪をすることでヒトになれる

髪を切りに行くたびに思うんですけど、何歳くらいから散髪屋じゃなく美容院とかいうしゃらくさいところで髪を切る輩が出始めるんでしょうかね。美容院とまではいかなくても、小洒落た散髪屋で雑誌を見せながら「今日はこんな感じで」とか言っちゃう奴が出始めるわけですよ。

僕は身だしなみという言葉から相当に遠いところで暮らしていますので、髪を切ると言えば近所の1000円カットか、平日の時間限定でそれよりも安い690円という破滅的な安さを誇るところに行っているわけですが、物心ついたときから「今日はどうしますか?」の質問には、「短くしてください」というそりゃそのために散髪屋に来てるんだろ、としか言いようのない答えしか返せていないわけです。

お店の方もちょっと困っちゃってね、「どれ位短くしますか?」とか聞いてくれるんですけど、なぜか僕も困っちゃいまして「ざっくり短くです!」なんて元気よく答えてしまう始末。

これが小学生くらいの子だったら、店の人も大体で切ってくれるのかもしれませんが、こちとらとっくに成人を迎えてますからね、向こうも「そう言われてもどう切ったら・・・」と戸惑っているのが伝わってくるんですね。

結局は「耳にかかるくらい?もみあげは?」とかそんな細々とした質問に答えてから切ってもらっているわけなんですが、毎回毎回こんなことをするのもなんだか馬鹿らしくなってしまうんですよね。どう答えても仕上がりにそう違いは無いように見えますしね。

 

しかし、他の人のやり取りを聞いていると、どうも皆はこんな面倒なやり取りはしていないようなのです。スマートに「今日はこんな感じで」とか一言で伝えて、店員も以心伝心とばかりにさっさと切り出しているんですよね。

いつの間に皆あんなことが出来るようになっているんですか。そんな頻繁に髪切りに行って経験を積んでるわけですか。それとも実は裏で努力していて、髪切りに行く前に家でシミュレーションとかしちゃってるんですか。

それならまあ納得できますけど絶対皆そんなことしてないじゃないですか。僕が思うに多分これは当たり前のようにいつの間にか出来るようになっていることなんだと思います。仕上がりを確認して「ここをもうちょっと短く・・・」とかも言えるようになっているのでしょう。

その点僕は、めちゃくちゃ目が悪いのに眼鏡を外したまま適当に「いい感じです」とか言っちゃうもんですから、家に帰ってからなんかバランスが悪いかな?とか気付いてしまうことがままあります。家に帰るまでハラハラですよ。

 

ここまで書いてみると、ただ僕がコミュニケーション不全でお洒落というものに無頓着なだけがしてきましたが、それでも僕は不思議でなりません。いつの間に皆そういうことが自然に出来るようになってるの?

これはもう言ってみれば現代の七不思議みたいなものですよ。自分だけが周りから取り残されているような感覚。これがわかりますか?

こういうことが出来るようになった時、僕はヒトになれるような気がします。