インターネットのけもの

全て妄想です。

人生の勝利者になるために

僕もそろそろいい歳の大人になってきたわけですから、当然この熾烈な現代社会をこれからも生き抜いていくために社会の仕組みを知っておかなければなりません。少し前までの僕だったら「社会の歯車になんか!!なりたくねえ!!」と全力で家に引き篭もり続ける方法を模索していたところですが、それでは両親亡き後悲惨すぎる未来が襲いかかってくることが容易に想像できたため、日々勝ち組になるべく努力中というわけです。ソシャゲなんてやってる場合ではないのです。

ですので、最近はもちろん定時で速攻帰宅、書籍を読み耽り、自分を高めることにマジ余念がありません。(主な参考文献:「羽月莉音の帝国現代社会を成り上がっていく高校生を描いたライトノベルです!、「リアル人生ゲーム完全攻略本」現実世界をゲームと見立て、目標を「幸福値の増大」と捉えた斬新な実用書!)見方を変えれば、みんなが残業で苦しんでいる中、一人颯爽と帰ってしまうのは会社内での評価が芳しくないものになってしまいそうな気もしてきますが、これも会社という小さい組織ではなく社会という大きいフィールドで成り上がっていくためですから仕方ありません。こういう一方を追求するために他方が犠牲になってしまう状況をトレードオフといいます。おっと、勉強の成果か、このような知的な言葉もサラサラと出てくるようになってしまいましたね。成長を実感します。

 

先程挙げた参考文献を振り返ると少し、というかかなり…?ジャンルが偏っているような気もしますが、これも仕方のないことです。なにせ僕は小学生の頃、週刊少年ジャンプで漢字を覚えていたくらいですから、わからないことを調べるために漫画やライトノベルに頼ってしまったのも当然というものでしょう。そもそも昨今は何が真実で何が虚構かわからないような時代なのですから、ぶっちゃけ何から学ぼうと大した違いなんてないのです。そう、これは学び。決して娯楽のために読んでいるわけではないのです。

MASTERキートンで主人公である平賀=キートン・太一は以下のように語っています。

「人間は一生学び続けるべきです。人間には好奇心……知る喜びがある。肩書きや、出世して大臣になるために、学ぶのではないのです……では、なぜ学び続けるのでしょう? ………それが人間の使命だからです。」

僕はこのセリフがもう本当に大好きで、初めて読んだときから心に刻んでいたのですが、最近になってようやく人間の使命を果たすことが出来始めたような気がします。まあ僕の場合は「勝ち組になりたい」という世俗にまみれ過ぎた理由が根底にあるのですが、学ぶ姿勢に大きな違いはないはずなのでセーフということにしておきましょう。

 

そんなわけで僕は今日も自分を高めていくのです。最近は人の上に立つことにも興味が出てきており、教室の隅っこで漫画を読んでいた自分がどこかに行ってしまったような気さえしてきます。文化祭の日にも漫画を読んで時間を潰し、クラスメイトから何故か僕だけ君づけで呼ばれていたあの頃の自分はもういないのです。

そんな僕が今日読んだ本は「完全教祖マニュアル」です。宗教の本質と教祖の役割について述べられた本書を読んで、またひとつ、自分の中の可能性が広がったような気がしました。

やめようソーシャルゲーム

聡明なる僕は去年の暮れに「ソシャゲなんてものは時間とお金を際限なく奪っていく悪魔の遊戯でしかない」と気付いたので、今後の人生のことを思うとどう考えてもこんなものはとっとと止めてしまった方がいいという結論を導き出し、即座にすべてのゲームをアンインストール、以って日常生活からソシャゲという悪魔を駆逐したはずなのですが、今現在ふと手元のスマートフォンを覗いてみると、そのホーム画面には威風堂々とソシャゲのアイコンが佇んでいたため、僕はこの悪魔の生命力の高さに驚くことしか出来ませんでした。

ですがそれ以上に驚いたのは、僕よりも先にソシャゲ地獄から脱出し、その後はソシャゲをやってる僕を散々馬鹿にしてきた友人にソシャゲに復帰してしまった旨を伝えると、さも当然のようにマルチプレイのお誘いを受けたことでした。どうやら友人の方もこの呪縛からは逃れきれなかったようで、僕を馬鹿にしながらも普通にソシャゲを再開していたそうです。自身も続けているのに相手だけは否定するという友人の精神構造はもう完全にどうかしてしまっていると思いますが、まあでも僕も再開してしまっているので特に何も言えませんでした。そこには、あまり強く言ってしまうと一緒にゲームをする仲間が減ってしまうのではないかという何とも消極的な、情けない懸念もあったからです。

 

そんなわけで昨晩は勤務時間終了後、日中の勤務態度からは想像もつかないような俊敏さでデスクを離れ退社し、帰路の途中で友人と合流しゲームに興じるという、あまり花金と呼ぶには相応しいと思えないようなことをするハメになってしまったのでした。こういうことの積み重ねがきっと会社内での立ち位置などを決定していくことになるのでしょう。そう考えた場合、このような行動が上司からどう思われるのか、その細かなところまでは末端である僕にはちょっとわかりませんが、でもどうやら世間一般的に考えてみると、これはちょっと…あまり、よろしくない…のかな?まあでも会社に残っていたところで、楽しいことなんてビタイチあるはずがないのでどうでもいいことですね。むしろこういうところから「あいつは時間を守れる男だな…」的な出来るオトコ評価を受けることもあるかもしれませんし。

周囲の残業をものともせずゲームをするために友人と合流した僕は近くのファミレスへと向かいます。ファミレスでは台風の影響でものが入ってこないとかで、サバの味噌煮とデザートが数点しか注文できないというハプニングにも襲われてしまい、あわやゲームどころではないかとも思われたのですが、普通に考えて何食ってもゲームには関係がないと気がついたので適当に注文を決め、早速ゲーム開始です。ですが開始5秒後には攻略する予定だったダンジョンに必要なモンスターを友人が持っていないということが判明したため、即座にゲームは中断、手際の悪さにブチ切れた僕は友人のスマートフォンの画面をバキバキに粉砕してしまったのでした。

ですがスマートフォンには保護シートが綺麗に貼られていたので、とてもバキバキには出来ないと気づいた僕たちは、何食わぬ顔でまずは必要なモンスターを育てることに決めたのでした。育成が面倒なタイプのモンスターであったため、準備には時間がかかってしまいましたが、それでも二人で協力して準備をするってのはなかなか楽しいものです。こうやって協力して一つの目標に向かって進む感覚が味わえるところはソシャゲも悪くないのかもしれませんね。

なんとかお互い必要なモンスターも用意でき、もともとの目標であったダンジョンに挑みます。僕たちは二人とも一時的にゲームを止める前までは、当時最難関と呼ばれていたダンジョンをクリアしていたくらいにはゲームをやりこんでいたのですが、今日挑むダンジョンは止めていた期間中に実装された更に難易度の高いダンジョンだということで、かなりの困難が予想されます。予め攻略情報を見ることはしたくないという見解の一致もあり、無知のまま挑むのですからなおさらです(何があるかわからないので高い汎用性をもつ便利なモンスターを用意していた)。

 

いざダンジョンに挑みます。思えば友人と一緒にダンジョンを攻略しようとするのも約1年ぶりです。考えうる最高のパーティも組んだ。どの敵が出てきたらどう動くか対処も決めた。たとえ未知の敵が現れてもこの二人ならきっと攻略できるはず。ソシャゲは無駄だと思った時期もあったけど、こうやって友人と一緒にワクワクを感じさせてくれるものを一方的に悪と決めつけるのもよくなかったかもな…。

最初の敵が現れます。どんなゲームもそうだとは思いますが、大抵最初の敵なんかは弱いものです。ここは僕があっさりとクリア。このゲームは交互に敵と戦う形式になっていますので、次は友人の番です。さっきと大差ない雑魚です。すこし操作ミスがありましたが無難にクリア。いい調子です。

疑問を感じたのはダンジョンも中盤に差し掛かってきたあたりでした。僕が一撃で敵を粉砕していくのに対し、友人は操作ミスが多く、少しずつ取りこぼしが出てきました。このときは久々でカンの戻ってないところもあるのだろうかと思っていましたが、終盤に差し掛かる辺りで敵がこちらの操作時間を減らす攻撃をしてきたあたりで、疑問は確信に変わりました。

友人が使っていたキャラクターは限られた時間内にコンボ攻撃を重ねることで威力を高めるという性質だったのですが、操作時間を減らされてからというものの、全くと言っていいほどコンボを成立させることができなくなり、まともにダメージを与えることが出来なくなってしまったのです。1年前はこうじゃありませんでした。多少操作時間を減らされたところでガンガン敵を滅ぼしていった友人の姿が、今はもう見る影もありません。

我慢できなくなった僕は問いかけます。

「お前、めっちゃ下手くそになってないか?」

その問いに友人は答えず、ただ下卑た笑みを浮かべるばかりでした。僕はなんだかそれをとても悲しいものだと思いました。

それでもだましだまし最後の敵まではたどり着いたのですが、最後はあっけなく全滅してしまいました。その後、他のダンジョンにも挑み、いくつかはクリアできたのですが、そこも僕がほとんどの敵を倒すばかりで、友人は何とかついてきたという感じです。たった一年で僕たちの対等な関係がこんな介護みたいなものになってしまうなんて、一体誰が予想できたというのでしょう。

 

そのうちお互いゲームする気力も尽きたのでファミレスを後にすると、時計の針は4時を指していました。4時…?僕の仕事は定時が5時半ですので、職場を後にしてから10時間以上経っていることになります。丸々ゲームに費やしたわけではないにせよ、最低でも8時間は費やしたことでしょう。8時間以上かけても目当てのダンジョンがクリア出来なかった…?今日集まった意味って一体…?唐突に自分たちが時間をドブに捨てまくっていることに気がついたため、さっきまで考えてた「友人がゲーム下手くそになっていて悲しい」というどうでもいい感情は一瞬で吹き飛び、25歳にもなってこんなソシャゲごときで一喜一憂、あまつさえゲームが下手くそになった友人を見下そうとした自分がとても恥ずかしく思いました。というか、普通に考えてゲームが下手くそになってたところで日常生活に何の問題も生じさせないですしね。むしろこの歳でどんどん上手くなっている方が問題あるんじゃないでしょうか。

もうソシャゲはやめよう。こんな事してても何もならない…。そう思ったとき友人がポツリとつぶやきました。

「ソシャゲってさあ、無駄だけど無駄じゃないんだよな」

それを聞いた僕は、「ああもう完全に友人は壊れてしまった」と当然のように思ったわけですが、どうやら友人は「クリアとか出来なくてもこうやって遊ぶだけで楽しいじゃないか」というようなことが言いたかったみたいです。散々足を引っ張ってたお前が言うなよって感じですが、ぶっちゃけ眠すぎてもうどうでも良くなっていた僕は「そうだな」とだけ返しておきました。

 

その後、腹が減りすぎていた僕たちは松屋に寄って帰りました。ファミレスから出たばかりなのに腹が減っているというのもおかしな話ですが、ファミレスにはサバの味噌煮くらいしかまともな定食が無かったので仕方ありません。松屋では「茄子とネギの香味醤油ハンバーグ定食」を食したのですが、これは滅茶苦茶美味しいのでおすすめです。どうでもいい情報でしたね。

松屋から出るとびっくりするくらいの大雨が降っていたので僕は唖然とするしかありませんでした。なんだかもう色々と疲れてしまった僕は濡れながらも家にたどり着き、とっとと寝てしまうことにしました。このとき、時計は6時を指していました。おかげさまで今日は15時という駄目人間のお手本のような時間に目を覚ますハメになり、僕は今日という日を無駄に過ごすことを予感してしまったのでした。

 

案の定、もう日付も変わったというのに起きてからダラダラしてた記憶しかありません。これはもうソシャゲの悪弊といって間違いないことでしょう。やっぱりソシャゲなんてするもんじゃないですね。(嬉々としてゲームを起動しながら)

合法ロリの時代

いつものごとく昼休みに爆睡を決め込もうとしていたところに、唐突に「合法ロリ」なんて言葉が耳に突き刺さってきたものですから、僕の睡魔がいくら強靭なものとはいえ、このマジックワードの前には為す術もなく吹き飛んでいってしまったのでした。

一体誰が会社というビジネスの場にまったくもって相応しくない言葉を吐いたのかと見回したところ、なんてことはない、隣りにいた先輩が下卑たニヤケ面で「これからの時代は合法ロリの時代なんですよ!」と上司に熱弁を奮っていたので、「ああ、この人は連日の勤務に耐えかねてとうとう頭がおかしくなってしまったのだろうか」と彼のこれからについて同情せずにはいられませんでした。

 

よくよく話を聞いてみると、というかまあぶっちゃけあまり親しくない先輩だったのでほとんど盗み聞きと言えなくはないのですが、とにかく話を聞いてみたところ、どうやらこの先輩は年の離れた奥さんを娶ったらしく、その方の容姿がもはや10代と言ってしまっても過言ではないほど実年齢よりも幼く見えるものであることを自慢していたようです。家庭の話をするにしてもなぜこんな訳のわからない自慢をしているのか、こんな話を聞かされる上司は笑顔の裏側で何を思っているのか、など疑問は尽きないのですが、なんだか面白そうな気配がしたため、貴重な睡眠時間を削って二人の話に聞き耳を立てることにしました。会話に混ざればいいじゃんと思われるかもしれませんが、同じ会社といえどあんまり親しくない人と話すのは相当な気力を要する、そもそもこんな会話に混ざったところで火傷する未来しか見えない、などの理由から参加を見送りました。我ながらこういう判断ができるところは立派だと思います!

 

聞き耳を立て始めたのは良かったのですが、先輩は相変わらず壊れたラジカセのように「合法ロリの時代が来る!」と繰り返すばかりですし、上司は上司で「でも年齢差のある夫婦だといろいろ価値観があわないところもあるんじゃないか?」とこのタイミングでする必要のない心配をする始末。そんなところを心配するなら突然「合法ロリ」なんていい出した部下の心配をしてあげるべきではないでしょうか。というか、こんなにも噛み合ってないのになぜ彼らは会話が成り立っているのか不思議でなりませんでした。

 

その後も話を聞いていたのですが、最初の「合法ロリの時代が来る!」発言以降、特に面白いこともなかったので僕は先輩がロリータコンプレックスという性癖と現代社会通念との板挟みにあった結果、このような主張を会社でぶち上げてしまったのだと結論づけて遊ぶことにしました。

 

 

 

ロリータコンプレックス

ーーー幼さにしか興奮できなくなってしまった俺はーーー

 

援助交際とかしてそうだよね~笑」

「めっちゃしてそう!笑」

合コンなんかで言われる俺の印象がこれだ。こんなことを言ってくる女にろくなやつなんていやしない。年を食った女はみんなこうだ。本人たちにすればおふざけのつもりかもしれないが、相手の気持ちなんか全く考えてもいない。自分たちがその場を楽しめたらそれでいい。そんな短絡的な女なんてこっちから願い下げだ。

 

その日の俺は学生時代の友人がセッティングしてくれた合コンに参加していた。

向こうは友人の職場の女性たちらしいが、ハッキリ言ってレベルが低いと言わざるをえなかった。世間一般にはいい人もいるのかもしれない。だが俺はどうしても彼女たちが自分を馬鹿にしているようにしか思えなかった。こっちを見てクスクス笑うだけならまだしも、目が合うと露骨に嫌そうな顔をする、俺が箸をつけた皿には手を付けない、そのくせ、友人がポツリと言ったくだらないギャグには馬鹿みたいに笑う。今日も俺に合う女はいないようだ。

 

きっと俺がおかしいのだとは分かっている。初対面で「援助交際してそう」なんて言われるのは異常以外のなにものでもない。でも俺ももう30を超えてしまった。今更この生き方を変えるなんてきっと無理なんだろう。こんな俺でも結婚したいという、人並みの欲はあるというのだから我ながら笑ってしまう。好きでこうなったわけじゃない。気がついたらもうこうなってしまってたんだ。

 

「今日はいい子いるかな…」

こんな日にはSNSを覗きに行ってしまう。そこには「サポ希望」「援助」「オフパコ」なんて言葉が溢れていた。なんてことはない。合コンで彼女たちが俺に抱いた印象はそのまま当たっていたわけだ。こんなことを初めてもう5年になる。最初はビクビクしながら罪悪感に苛まれたものだが、今ではもう何も感じなくなってしまった。それどころか今ではもう、幼い顔つきでしか興奮できなくなってしまった。慣れというのは恐ろしいものだ。

「これから会える人いませんか?JK1です」

ふとそんな書き込みが目に留まった。なんてことはない書き込みだが、なぜか心ひかれてしまうところもあり、この子に連絡を取ってみることにした。

「はじめまして。もしよろしければこのお会いしませんか?」

 

1時間後。

話はトントン拍子に進み、その子とは難波にある喫茶店で会うことになった。顔写真なんかは見てないから容姿はわからないが、その後のやり取りから生真面目な印象を受けた。すくなくとも合コンに来ていたような女どもよりは遥かにいいだろう。コーヒーを飲みながら待っていると、カランコロンと扉の鈴が鳴った。小柄な女の子が入ってくるのが見えた。あの子だろうか。

 

「はじめまして。〇〇さんですか?」

呼ばれた名前は間違いなく自分のものだったが、とっさに返事を返すことが出来なかった。

「あれ?〇〇さんじゃないですか?失礼しました…!」

その言葉で我に返る。

「ああ…!ごめんごめん!俺であってるよ」

「ああ…よかった。別人に話しかけちゃったかと思いましたよ」

「ほんとゴメンね。ちょっとぼーっとしてて…」

なんとかそう返したものの、未だに俺の心は一向に落ち着く気配を見せなかった。こうなってしまった理由は単純だ。情けないほど単純なものだ。

可愛かったのだ。まさかこんなに可愛い子が来るとは思っても見なかった。大抵こういうのに来る子というのはクラスでも中の上くらいまでの子で、本当に可愛い子が来ることは滅多にない。だというのに、今目の前にいる子はこのまま芸能界に連れて行っても即通用しそうなくらい可愛い子だった。

 

すぐにホテルに行くつもりだったが、このまま行ってもこちらが緊張してしまって楽しめないかもしれない。落ち着くためにも少し喫茶店で過ごしてから行くことにした。

「君もなにか飲む?」

「いえ、いいです。お金もないですし」

「それくらい奢るからいいよ。好きなの飲みなよ」

「それもなんだか悪いですし…。飲み終わるまで待ってますよ!」

そう言って対面に座る。ゆっくりと飲み物でも飲みながら距離を詰めようと考えていたのだが、一人だけ飲んでいるのはなんだか気まずい。結局、あまり会話が弾まないまま、さっさと飲み終えてホテルに向かうことになってしまった。

 

当初はどうなることかと思ったものだが、いざことを始めると普段どおり振る舞うことが出来た。それどころか、やはりかわいいは正義ということだろうか、いつもよりも遥かに興奮している自分に気付かされた。

終わってから少し話をした。こんな可愛い子がなぜこんなことをするようになったのか、どうしても気になってしまう。また会いたい気持ちもあり、嫌われないよう、説教臭くならないように気をつけて聞いてみたが、向こうもそういう質問にも慣れているらしく、なんでもないかのように答えてくれた。

 

3年前に両親が離婚し妹とともに母親に引き取られたこと、高校に入ったくらいから父親と連絡がつかなくなったこと、授業料を賄うために母親が仕事を増やしたこと、負担が大きくなりすぎて母親が体調を崩してしまったこと、母親の代わりに自分が稼がなくてはならなくなったこと、放課後のアルバイトだけではそれを賄うことが出来なかったこと。彼女はすべてを話してくれた。

それは陳腐といえば陳腐なものだったが、お話で聞くのと実際に目の当たりにするのとでは捉え方がやはり異なる。もちろん、この話は彼女が同情を引くためについた嘘かもしれない。だが、妹との2ショット写真を見せてくれながら浮かべていた悲しげな彼女の笑顔を見ていると、どうしてもすべてが嘘だとは思えなかった。気がつけば一筋の涙が頬を伝っていた。

 

「ごめんなさい…。こんな話聞かせちゃって」

「いやいや、俺が聞いたんだし。むしろ話させちゃってごめんね」

「そんな…。聞いてもらえて楽になりました。泣いてくれたのはあなたが初めてです」

この涙はただ彼女のことを思って流したものではない。今まで援助交際という罪を重ねてきた自分や、妹がいると聞いてあわよくば3Pとか出来るんじゃないかという卑しさを浮かべてしまった自分があまりにも情けなくなってしまったことも含んだ涙だった。

だが、彼女のことを思ったのもまた事実だった。彼女だけではない、うら若き乙女が援助交際という道へ落ちなければならなくなってしまう社会構造そのものをなんとかしなければならないと思った。

 

そうして俺は即座に行動を開始した。もちろん一介の会社員にすぎない自分にできることは限られている。でも、実体験で苦しんでいる人がいると知ってしまった以上、じっとしていることなんて出来やしなかった。

 

翌週には家出少年・少女を救う活動をしているボランティア団体に所属し経験を積みつつ、自らも半年後には未成年者の相談所となるべくNPOを設立。この活動を通して現在の妻と出会う。童顔の彼女は彼にとってベストと言えるパートナーであり、彼女との出会いをきっかけに彼の活動はますます熱心なものとなっていく。

2年後には市会議員に立候補し、見事当選。その後は、青少年の健全な育成に主眼を置いたマニフェストを武器に府知事にまで昇りつめ、50歳時に国会議員に転身、文部科学大臣などを経て65歳にして内閣総理大臣に任命される。教育に力を入れる傍ら、ロリータコンプレックスに苦しむ多くの男性を救おうと、未成年者に対する劣情を抱いてしまったものに対する社会保障を充実させる法案(通称:合法ロリ法)は後世においても評価され、今の日本の教育の礎となった。後に彼の任期は「合法ロリ時代」と呼ばれることになる。

24時間麻雀 感想

この週末は24時間テレビに合わせ、24時間麻雀という少し頭の悪い集まりに参加してきました。去年もこのくらいの時期に24時間麻雀に参加していたのですが、今年も基本的には同じ面子です。もはや恒例行事ですね。当然今年も麻雀を打つためだけに上京するという、冷静になって考えてみるとちょっとこれはどうなんだろうかと思わずにはいられない状況だったのですが、もはやそんなところを考えてみてもどうしようもないので、とりあえず行ってきた次第であります。家を出る前に母親に東京へ向かう旨を伝えると、何故かお小遣いを渡されてしまうというイベントが発生したのですが(僕はもう25歳です)、なんど断ってもあまりにしつこく渡してくるため、「もしかしたらこの人は息子にお小遣いをあげないといけない呪いにでもかけられているんじゃないか」と無理やりな解釈をした挙げ句、あっさりと受け取ってしまいました。まあ金は金ですしね。僕は多分このままスネをちびちびかじりながら生きていくのでしょう。

麻雀を打つためだけに新幹線に乗っていることに気がついたときには、「必死こいて働いたお金の使い方として果たしてこれは正しいのだろうか」などと考えていましたが、そもそもお小遣いを貰って来た身であることに気がついた僕は、いざ雀荘につくと麻雀打つのが楽しみが楽しみになりそんな考えも吹き飛んでいたのですから、我ながら単純なものです。

 

もちろん参加者の中では僕が圧倒的に遠い、というか他の皆さんは関東なのに僕だけが関西からの参戦となるため、はやめに到着しようと心がけてはいたのですが、開始時間を勘違いしていたこともあり、開始時間である土曜日18:00から若干遅刻してのスタートとなりました。

開始直後の数局はうまい具合に上位をキープ出来ていました。堅実な打ち筋でありながら、時には大胆にリーチをかける僕の姿に、誰もが恐れおののき、心惹かれたことでしょう。そのまま、この勢いを持続させたい!このまま押し切って24時間後に優勝の栄光を掴みたい!などとぼんやり考えながら打っていたところ、おもっくそ親満(12000点、麻雀の持ち点は25000点開始なので、約半分を奪っていく無慈悲な一撃)に振り込んでしまったので少し恥ずかしかったです。

この時点で開始から6時間弱しか経過しておりません。まあまだ18時間以上あるわけですから、こんなチンケな点数(半分くらい持っていかれたけど)なんかはすぐに取り戻せるはずです。

ですが、人生ってやつはうまくいかないもんですね。これまで1軍卓、2軍卓を行ったり来たりしていた僕でしたが、とうとう3軍卓に落ちる時が来てしまったのです。3軍卓というのは負け続けたものが落とされる流刑地のような場所で、この場所ではあらゆる制約を受けながら麻雀を打たねばなりません。例を上げてみると、

・私語厳禁

・飲食禁止

・タバコ禁止

などです。流石に大阪から来てまでこんな訳の分からないルールに縛られた麻雀は打ちたくないので、全力で勝ちにいくとなんかあっさり2軍卓に戻ることが出来ました。まあ所詮3軍は3軍、この僕が本気を出すまでもなかったということだったのかもしれませんね。

そんなふうに調子に乗ってると、その後も割とあっさりと3軍に落とされたりしてしまったため、僕は自分の実力を知ること、人を馬鹿にしないことの大切さを改めて噛みしめることが出来ました。ほんと麻雀ってのは人を成長させてくれますね。

 

その後も眠気が襲いかかりまくってくるあまり、意識が朦朧とする場面があったりはしましたが、なんとか日曜日18:00を迎えることが出来ました。ですが、24時間経った今でも戦いは終わっていません。そもそも24時間麻雀は24時間テレビに合わせて行われているため、マラソンランナーがゴールするまで終了することが出来ないのです。去年なんかは結局27時間くらいになっていましたし、今年もそれくらいになると思われます。さあ、延長線が始まります。

終戦を迎える前には僕はなんとか上位陣に食い込めているといった状況で、最終戦の結果次第では1位は無理でも、2位、3位は狙えるだろうというところにつけていました。ほとんどいつも負けて帰る僕からすれば、それでもかなりの快挙です。

そして迎えた最終戦。僕はここで24時間麻雀最後の輝きを見せます…。とかなっていれば滅茶苦茶格好良かったのでしょうが、実際のところはオーラス(最後の最後)を迎えても未だにヤキトリ状態(そのゲーム中一回も上がれていないこと、おねしょ並みにひどい、このままゲームが終わるとペナルティがつく)だったため、僕はもう唖然とするしかありませんでした。なにこれ…トップとかもう完全に無理じゃん…そもそもヤキトリどうにかしないと…。

悩みついた末に僕は最後の最後で何の美しさもない簡単な手でさっくり上がってしまうという世が世なら刑罰の対象になってもおかしくはない、なんともまあみっともない手段でヤキトリを回避しました。こんな…こんなカスみたいな手で24時間麻雀が終わり…。でも!でも仕方なかったんです!僕もペナルティは受けたくなかったんです!

そんな声は誰にも届かなくて。ぼくはひとり、麻雀の神に祈った。おお、麻雀の神よ!もしいるならどうか、どうか次回はこんな上がりじゃなくもっと盛り上がる上がりをください!24時間以上打った麻雀の最後がこれじゃあ、あんまりじゃないですか…!

 

というわけで今年の24時間麻雀は何の記憶にも残りそうにないラストで終えてしまいました。去年の最後なんかは大三元という役満が飛び出していたにも関わらず…!

でもヤキトリ回避したおかげもあってか、16人中7位という中途半端な成績だけど半分よりは上という、ギリギリ自尊心を保てる成績が残せたので良かったのかもしれません。結局この世は勝ったものが正義なのですから(勝ったといえるような成績でもないですけどね!)。

サボり

ここ最近は「仕事を頑張ったところで給料が上がるわけではない」という世の理に気がついてしまったため、全力でサボりまくる毎日を過ごしています。

去年なんかは大阪勤務が決定したはずなのに、配属後2週間ほどで名古屋勤務(しかも毎週大阪からの通い)を命じられてしまうという意味のわからない憂き目にあった挙げ句、名古屋での勤務は日付が変わるまでがデフォという、なにかの懲罰かな?というほど働かされていたのですが、最近はそれが嘘だったかのように、もっぱら定時のチャイムと同時に帰宅という毎日を送っています。

仕事がまったく終わっていなくとも、それはそれで趣があっていいんじゃなかろうか、という自分でも若干無理があるかな?という大義名分を無理やり掲げてしまうと、恐ろしいくらいあっさりと帰ってしまおうと思えるのだから不思議なものです。名古屋で働いていた頃からは想像もつきません、そもそも、僕はあまり期待されていないのか、大阪に帰ってきてからというものの、ろくに仕事を振ってもらっていないにもかかわらず、毎日のように仕事を残して帰っているというのですから、周囲の評価も推して知るべしと言ったところですね!!

正直まともにやれば2時間もあれば今振られているような仕事は終わってしまうのですが(こういう言い方をすると自分は本当はすごい能力があるんだと言ってるみたいで凄く恥ずかしいですね!でも驚くほど仕事が少ないので事実です!)、以前速攻で仕事を終わらせたところ、「うーん、いま他にやるようなことは無いですね…」という、弊社のこれからが心配になるような一言が飛んできたため、それからは全力で手を抜きながら仕事に当たろうと決意しました。実際に手を抜いてみると、別に怒られることもなく、給料も減るわけではなかったため、あの名古屋での激戦の日々は何だったのかと悔やんだものです。

しかし実際にサボり始めてみますと、どうやら僕の周りはそれなりに仕事があるらしく、せこせこと働いている様子。これは一体どうしたことかと様子を伺ってみると、どうやら僕は途中から大阪に戻ってきたこともあってか、周りの人たちもどう扱うべきか見極めかねているらしく、そもそも僕には日常的な些細な会話すら振ってもらえていません。コミュニケーション不全という大病をおして、なんとかこちらから話しかけてみたところで、なんか2、3言会話しただけでお互いに気まずいままに終わってしまうという始末。まあ一言で言うと浮きまくっているということですね!

最近では今年入ってきた新人のほうが仕事をこなしているのでは?という懸念もあり(今日は新人くんに研修の申し込み方を教わりました!)、我ながら自分の行く末が心配になってくるばかりなのですが、よくよく考えてみると僕は元々超がつくほど人生をサボりまくってきたため、これはもう逃れられない運命なのかもしれません。日記すらこんなサボり文章なあたり、本当にどうしようもない。